
|
いま福田内閣の目玉として来年発足予定の消費者庁構想が進行している。洞爺湖サミットを乗り越え、後期高齢者医療制度を修正し、道路特定財源や年金問題を国民が忘れはじめたところで、新しい行政庁を発足し、いかにも「国民本位」であるかのごときテーマを見つけて解散総選挙といきたいところだろうが、果たして、うまくいくのだろうか。「それまで福田政権は持つだろうか」「消費者庁は幻に終わるかも知れない」というのが政治通の意見なのである。
日本には「消費者保護法」という法律がある。しかし、それを実行する役所はない。建前では、石油扇風機の欠陥は経済産業省、欠陥住宅は国土交通省、食品偽装は農林水産省、薬害問題は厚生労働省となっているが、ご存じの通り、各省庁は産業育成が主な目的。どちらかといえば業界保護。消費者を保護する具体的対策は二の次である。業界への支援金助成、行政指導・監視など既得権益がある。これを手離すだろうか。アメリカでは連邦取引委員会の下部組織で消費者保護局があり、イギリスでは独立した消費者保護庁があるという。
日本の消費者は、保健所や市役所の相談窓口に相談する。そこで対応できない場合は、国民生活センターで調べるという仕組みになっている。取り上げるクレームはおびただしい。その結果、年に1回か2回、問題事項を羅列して発表する。または販売会社を注意する程度で精一杯だ。国民生活センターは独立行政法人である。7部4課6室1館あり年間約34億5千万円の予算がある。(平成20年度)理事長は前経済企画事務次官、理事は前内閣府国民生活部長とくれば、天下り機関である。
本来、この国民生活センターが努力すれば、新たに消費者庁など考えなくてよいのである。ところが、国民生活センターは東京都港区と神奈川県相模原市にしかない。気楽に相談できるような位置ではないのだ。消費者行政は、パフォーマンスでは困る。相談するだけの「消費者相談所」や調査をするだけの「消費者庁」をつくるより、真に国民の役に立つ仕組みが必要だ。しかも予算はほとんど不要である。
警察と連携して刑法、民法、条例を駆使できる「消費者保護部」を全国の自治体に配置することを要望しておきたい。統括は内閣府だろう。政治家さん。いかがですか。できるかな?できるはずなのだが。 |