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イソップ童話「アリとキリギリス」を学んだのが、小学校何年生の時か記憶にない。果たして学校で習ったかどうかも定かでない。覚えているのは夏の暑い日に毎日毎日コツコツ働くアリさんが偉くて、バイオリンを弾いて遊んでいるキリギリスさんは駄目ということだ。現に童話では冬を迎えたキリギリスさんは食べ物がなく凍えてしまう。
勤勉の尊さを教えられた。貯蓄・勤労は美徳であり、一攫千金・不労所得は悪と「耳にたこ」のように親から教師から吹き込まれた。アリさんのストイックな禁欲主義的生き方が正しく、キリギリスさんのような刹那的享楽主義はヤクザな生き方と幼心に刷り込まれた。
時が過ぎて、21世紀を目前に控えた頃から、この教えが揺らいできた。待てよ、汗水垂らして働くのも良いがたった一度の人生だ、大いに「生」を謳歌するもの一興ではないか?!キリギリス的生き方も否定されるものでなく、検討に値するのでは?
人生の達人は「江戸っ子」だ。稼いだ金はすっかり遣い切るのを善しとした。宵越しの金は持たない。まして児孫のために美田を買わず、だ。自分が生きるのを楽しむことに専念する。まさにキリギリスさんだ。
フリーターやニートが社会問題になっているが、映画「フーテンの寅さん」は謂わばフリーターの代表格だ。人間は自由気儘に生きるのが本来の姿なのだろう。会社に縛られた人生など窮屈に決まっている。縄文時代はもっと気楽な時ではなかっただろうか。
若い時はさておき、扶養の義務から「卒業」した中高年シニアは、キリギリス的人生を楽しんでも良いのではないでしょうか、またその権利があると思うのですが。
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