中高年・シニアの徒然なるままに思うこと

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朝に歩けば(12) ああメタボリック・シンドローム
By  ブルートントン


自転車 車の次は自転車である。自転車は意外に恐ろしい。駅に近い並木の舗道を歩く。幅は約2メーターから3メーターである。数メートル先を数人が歩いている。若い女性も足が速い。私はどんどん追い抜かれる。気がつくと、うしろのほうでブレーキをかける自転車の気配が多くなる。歩行者は邪魔者らしい。ゆっくり走ればブレーキ不用なのだが、急ぐからグレーキを踏まなくてはいけない。わずか3メーター幅の歩道で通行人も絶え間ないのに自転車は急いで走ろうとする。

右に寄ろうとした時だ。右からすっと自転車が飛び出して過ぎた。腕にハンドルが当って一瞬痛いと思ったが自転車男は振り向きもしないし「すみません」ともいわない。左に寄ろうとすると左からも自転車が通りすぎた。こんなことは当たり前になっているから、右ぎりぎりに寄って歩くことに決めている。それでも正面から私に向かって来る自転車もある。止まって手で制したこともある。

今年の春。ある歯科医がこんな話をしてくれた。「道を歩いていると、中年の主婦が自転車で向かってきた。道は広いし、他に人がいたわけではない。それなのに私に向かって、わざわざ寄ってくるんだな。不愉快だった。それだけではないが町の雰囲気が変わってきた。ひったくりも多いそうだ。いや世の中みんな、とげとげしくなってきた。散歩するだけでも、何が起こるかわからない時代になった。何かが変わった。政治家は変わる、変えるというが、悪い形で変わってきたような気がしてならない」

じつは、私も同じ体験をしている。危ないと思う方向へ向いてしまうことは、よくあることだが、4メートル幅の歩道で、他に誰もいないのに、私の体にぶつかりそうな自転車女がいた。不愉快なのは、その女が私を睨みつけたのである。冗談ではない。私のほうこそ睨みつけたいところである。しかし、それもほんの一瞬の出来事であった。こんな勝手なオバサンと口論したくない。

中学生、高校生もひどい奴がいる。ま横から目の前スレスレに、スピードを上げて通りすぎる奴がいる。ハンドルの先が私の手の指をビシと打ったことがある。痛いが声も出ない。奴は私より体格がよい。柔道でもやりそうだ。文句を言っても二次災難に遭うだけかも知れないと私も意気地がない。

最近の高校生は歩いていても平気で大人を押しのけて歩く。ピアスをつけていたり、香水の匂いを漂わせている学生がいる。朝7時のO駅近く、東京G大学の学生のことである。文句をいいたいが反発されたら怖い。「あ。危ない」と小声で自分をなぐさめるしかない。

すこし登り坂でのこと。うしろから女学生の可愛い声で「すみません。すみません」と何度も連呼してくる自転車があった。道は4人ほどの通行人がジグザグ状で横に並んでいた。自転車が通れないのだ。私は、足を止めて横に寄り道を空けてやった。その空きを待っていたように、女学生の自転車は通りすぎていった。「ありがとう」とか、もう一度「すみせん」とかいうセリフはなかった。

オジサンは少しがっかりしたが「親のいうことをきかない娘を持つ親の心境がわかるようだ」と自問自答しているうち頬がゆるんでいた。雑踏は危険だが、その中を泳げるうちは私も若いと思うのだ。


続く






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