中高年・シニアの徒然なるままに思うこと

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朝に歩けば(10) ああメタボリック・シンドローム
By  ブルートントン


サングラス 毎朝、決まった時間に決まったコースを歩いていると、必ず同じ人とすれ違うことが多い。その中で必ず挨拶を交わす人ができる。お互いにどこの誰かは知らない。聞いてみたいと思う時もあるが、やめておこうと自制する。

何も聞かないですれ違う人間関係もオツなものだと思うのだ。ほんのわずかな感じの違いだが「きょうは明るいな」「きょうは気むずかしい顔をしている」などと、日によってその人の感情や体調までわかるようだ。それは反対に私も同じ観察を受けていることだろう。つまり無言の会話を交わしているわけである。それはその日の服装、疲れた表情、シャツの色などで判断することができるからだ。

ある日、一度だけその60代の男性から声をかけられた。「どちらから歩いてくるのですか?」という。ちょっと立ち止まり簡単に答えた。彼は満足してすぐ歩き出した。私と同じように歩行時間には神経を使っているようだ。それいらい、毎日のようにすれ違うが、立ち止まって話すことはない。「おはようございます」「けさは早いですね」といった程度の軽い挨拶だ。名前も知らない。それがいいのかも知れない。私の観察では中小企業の社長さんではないかと思う。どことなく社交性がある。服装も清潔だ。こういう品性のある人物だと、ああ、今朝も会えるかなと楽しくなる。

が、あまり声をかけてもらいたくない人物もいる。5時40分頃すれ違う70前後の男だ。登山帽のようなものをかぶり、毎朝同じ赤いシャツを着ている。やせて小柄である。黙っていれば可愛いオジサンなのだ。ところが片手に木刀を持ち、これを大きく前後に勢いよくふりまわしながら歩く。「お早うございます」と声をかけてくるので「お早う」と冷たく返事している。いまにも襲いかからんばかりに威圧して歩く老人に、反発する通行人がいなければよいのだが。ちょっとアブナイ、オッサンだ。

「おはようございます」という挨拶は、おばさんからもある。一人歩きの女性はほとんど顔がわからないように帽子を深くかぶっている。

面白いのは、地域によって特色があることだ。女性は遠くへ歩くことはない。ほとんど自宅の近くを徘徊する。駅近くで歩くご婦人の場合は畑から出てきたような古着姿が多い。ありあわせである。決まって腰には大きなバッグを取り付けている。一人歩きの女性は基本的に下を向き他人と視線を合わせない。ところが、ふいに「おはようございます」と顔をあげることがある。こんな時は、あわてて返事するしかない。
 
さて高級住宅街に囲まれた池の周辺になると少し様子が違ってくる。同じ散歩着でもセンスがよい。高価な帽子、サングラス、セーター、スラックス、真っ白な運動靴。全体的に調和がとれている。腰にバッグなど持たない。ズングリムックリの体形が多い歩き族の中で、じつに体形のよいスラリとした女性が数人いる。しかも駆け足するぞという形でスタスタ歩く。遠くから見ると若い。近くからみると、かなりのご年配だ。たぶん60代に違いない。それにしても、そのギリギリの強い防衛感覚にあきれるほど感心するばかりだ。見られていることを意識した人々なのである。


続く






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