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NHKの功罪 10
昭和57年(1982年)放送法が改正された。その目玉は「営利事業への出資」が可能になったことである。法改正の趣旨は「NHKは教育テレビの開設など業務の拡大を続けた結果、赤字体質に陥り、受信料の値上げを何度も行なっても改善されなかったため、番組の版権収入や番組制作の外注で独立採算と赤字体質の解消を図る」というものであった。
この法改正が行なわれるまで存在した関連団体は次の通り。@財団法人NHK交響楽団、A社会福祉法人NHK厚生文化事業団、B学校法人日本放送協会学園、C日本放送協会健康保険組合、D財団法人日本放送協会共済会、E財団法人NHKサービスセンター、F財団法人NHKインターナショナル、G株式会社日本放送出版協会(1931年設立)、H株式会社NHK美術センター(1961年設立・現NHKアート)H全日本テレビサービス株式会社(現NHKアイテック)I株式会社NHKプロモートサービス(1977年設立・現NHKプロモーション)、J株式会社NHK文化センター。
一部の経営規模を見よう。昭和55年度の決算である。
・日本放送出版協会の収入は160億円。支出150億円。利益7億4千万円。
・NHKサービスセンターの収入94億円。支出91億円。利益3億3千万円。
・NHKインターナショナルの収入は1億6千300万円。支出1億6千万円。利益320万円。・NHK美術センターの収入は63億2千万円。支出62億7千200万円。利益4千900万円。・NHKプロモートサービスの収入は9億400万円。支出8億9千500万円。利益890万円。
一見、利益は少ない。しかし、である。NHKという看板を使って商売するメリットの大きさははかり知れない。たとえば当時販売されたビデオテープ「シルクロード」は2万円で売られた人気商品であった。単純に計算するとコピーテープと印刷代だけで約3千円の原価。どう見ても約8割の利益なのである。何よりも民間企業がうらやむのは出版協会だ。NHKが費用をかけて取材した記事やデータが、そのままそっくり出版物に使えるのだから、質とコストは最高のものを最低の費用で生み出せる。とくに海外もの、歴史ものは、民間企業にみられない珠玉の作品を見ることがある。そのわりには図書館であまり拝見できないのが残念である。つまり放送した内容を整理(編集)して印刷するだけ。企画さえ要らない。
ところが、NHKはこうした外郭団体に年間90億円の助成金を出していたという情報がある。そして、この外郭団体からはNHKに対して7億円の還元金が出されていたとも。つまり助成金という名の出資は以前から行なわれていたわけである。助成金を出す。さらに出資をする。仕事は殿様商売。一部幹部の利権構造を感じさせる話ではないか。
(続く)
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