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NHKの功罪 9
これは昭和57年のデータなので、ご承知のうえで読んでいただきたい。NHKの番組で代表的なのは相撲番組だ。相撲は1場所が15日ある。それが年に6回ある。通算90日である。NHKは1日あたり3時間ナマ中継する。
3時間の制作費は852万8千円。(放送解説などの出演料18万7千円。美術費4万1千円。中継撮影料830万円)770万円を相撲協会へ放送権料として支払っている。年間6億9千300万円である。問題は視聴率。相撲より高校野球のほうが、はるかに高いということである。またNHKの独占でなく民放テレビへ放送権を譲渡すれば、もう少し相撲が面白くなるかも知れないし、NHKの財政も軽減されるのではないか。
財政といえば、NHKは昭和49年に120億円を拠出して「財団法人放送文化基金」を設けた。この法人は、日本の放送界に貢献した各種学術団体や、放送組織などに助成金や報奨金を与えている。この助成金や報奨金は民間放送の番組やプロデューサーにも与えられている。一見、すばらしい文化事業に見えるが、赤字で苦しむNHKがなぜ、という見方もあるのだ。民放テレビは黒字である。民放テレビへの奨励金のたぐいは民放連で考えればよい。どう見ても貧乏公家が、金持ち大名に助成金を出しているとしか映らないのである。
NHKは、助成金を出すのが好きである。財団法人NHK学園にも年間5億円近くの助成金を出していた。NHK学園の職員数は約100人。通信教育を受けている生徒数は5千500人。立派な独立法人だ。一流新聞に全5段、全3段の広告を出している。NHKという看板を頭につけるだけでもビジネスとして成り立つ。なのに。と思うのは余計なお世話かも知れない。
ところが、ここでもとんだ殿様商売が行なわれていた。NHK学園はさまざまな教室がある。1年の受講料は書道で1万2千円。半年の受講料では硬筆が9千500円、文章は9千円。文章コースで問い合わせてみると、半年間で8千人から9千人の生徒数だという。全生徒数の学費を計算すると年間約1億円の収入である。職員の年収を400万円とした場合、ちょうど(100人で)4億円になるから、NHKは人件費をそっくり出していたことになる。
通信教育は、民間会社にまかせておけばよかったのである。NHKの看板代だけ取っておけば、お互いにハッピーなはずである。それができないのは、何か理由があるのだろうと思われても致し方ない。
しかし、これらは誠に可愛らしい話。NHKは、赤字だ、受信料だと視聴者の理解を求めているが、しっかりと、おいしい畑をつくり続けているのだ。 NHKには「外郭団体」と呼ばれる「外部の民間会社」がある。次回はその実態に触れてみよう。
(続く)
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