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【投稿連載】

問い質す!憤懣やる方ない、この怒り。
 
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(2)笑えないぞ!その31『喜劇が消えてゆく(10)』

by イジワル・ジイサン
青島幸男
故青島幸男は、選挙中に公約した「都市博中止」で東京都議会の猛反発をくらっていた。都議会をはじめ都庁に味方はひとりもいなかった。東京都知事と都議会、都民は時折、歪んだ構図を見せる。この時は前都知事の鈴木俊一が計画した都市博覧会は税金のムダ使いだというのが青島幸男の持論であった。都民の多くは共鳴した。ところが都議会は賛成して計画は可決された。

青島幸男は都知事に就任して都市博会場予定地を訪れた。すでに工事は進んでいた。事務局は「中止した場合、約1000億円の損失があります」と告げた。ふつうは「止む無し」と公約を引っ込めるところだが、青島幸男は「都市博は中止する」と宣言して都庁職員や都議会に衝撃を与えた。

「行政が決めたことは必ず実行される」という神話は崩れた。私はこの問題にあまり触れなかったが別の角度から質問した。

―実務面で驚いたことはありませんか。
青島「この中の施設がなかなか立派でしてね。協議をやるなんていうと巨大な丸テーブルがあったりしてね。えーっと思いましたね。第一この建物に驚きましたよ。えらいものをつくっちゃったな。こりゃ。と思って」

―ここまで、しなくてもという部分がございますか。
青島「そうですよね。見てくれだって。これ派手すぎるんだよね。何のつもりでこんなものつくっちゃったのか」

―バブル時代だったからだと、いうことでしょうか。
青島「そういうことでしょうね」

―しかし、これは全部都民の税金で出来たわけですよね。
青島「そうですよ。だからって壊してしまえというわけにはいかないしね」

―東京23区の区長会があります。前の鈴木知事は一度も区長会に顔を出さなかった。
青島「区長会には、私もう2回くらい出ています。(中略)気さくな人間というのが取り得ですからね。(笑い)」

―都政は積極的にやると反発される。知事の場合はどちらでしょう。ケースバイケースでしょうが。
青島「私はお祭り騒ぎが好きですからね。だから、お祭りみいたいなものはあっていいのではないかと思いますけどね」

―昔、地方自治体に1億円やって、これで何かやれということがありましたね。
青島「あれは、ひどい話でね。竹下さん(元首相)の時だよね。国の金を使って選挙運動しているようなものだからね。自民党のね。だから、あのやりかたは、汚いなと思ったな」

―臨海副都心の土地は将来どうなりますか。
「あれは将来、都民にとってかけがえのない財産になるというので、臨海開発懇談会をつくりまして、今日もその座長を引き受けてくださる方とお目にかかりました」(以下略)

青島幸男は1期で、この都知事の座を棄てた。参議院、東京都。その裏側はとんでもない話が多い。物書きとしての興味は尽きないはずであった。が、青島幸男は政治行政を風刺した小説を書こうとしなかった。あまりにも「笑えない」話ばかりであったから、だ。
(続く)




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