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【投稿連載】

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(2)笑えないぞ!その30『喜劇が消えてゆく(9)』

by イジワル・ジイサン
青島都知事
日本でシナリオライターは育たない。それは原稿料が安すぎるからである。だからあたらしい演劇も生まれない。

その土壌に例外の花がある。花のある人であったというべきだろう。青島幸男。彼は大学在学中に漫才の台本を書き、20歳代で放送作家になった。フジテレビで「おとなの漫画」をヒットさせ日本テレビの「シャボン玉ホリデー」を手がけた。ハナ肇とクレイジーキャッツの「スーダラ節」「ハイそれまでよ」坂本九の「明日があるさ」を作詞した。テレビや映画に新しい笑いを吹き込んだ。

「意地悪ばあさん」(長谷川町子原作)では通算5年間、ドラマの主役を演じた。作家、演出家、作詞家、俳優、そして政治家になる。その青島幸男が平成18年12月20日、骨髄異形症候群のために他界した。享年74歳であった。青島幸男が東京都知事に当選した時、フリーライターの私はインタビューに成功している。平成7年7月31日のことである。

その日は私の取材が終わった直後、青島都知事は歴史的な決断を下していた。同日午後、時の武村蔵相と会談、さらに松下日銀総裁と会談、都庁内で記者会見、コスモ信用組合に対する業務停止命令を発表していたのだ。追悼の意味をこめて、その日のインタビューの一部を今回と次回ご紹介したい。

―政治家の健康は大きな意味を持ちます。健康状態はいかがですか。
青島「私はガンをやっていますからね。2年たって再発がなければ、完治したと考えていいといわれて、もう4年たちましたから、完治していると思うんですが、ふた月に1回くらいずつ検診に行っています。それで板橋病院に通っているわけです。病院に通っているというのは事実です」

―疲れませんか。
青島「けっこう丈夫ですよ。酒さえ慎んでいれば、なんとか持つんじゃないかな」

―酒はいまでも飲むことがありますか。
青島「やめようと思うんだけど、やめられないね(笑い)」

―どのくらいお飲みになるんですか。
青島「一時は1週間に720ミリリットルのボトルを1本空けていました。ですから水割り3杯から5杯くらいですかね。それが、いまは2杯くらいでおさめてますよ(笑い)」

政治家にとって自分の健康状態、とくに通院しているという話はタブーである。青島幸男も隠すだろうか。意地悪ばあさんに、イジワル・ジイサンが聞いたわけである。私は、この取材の前に、板橋病院へ通院しているという情報を得ていた。それは選挙中から聞こえていたが、表面には出なかった。私はやんわり聞いたつもりだったが、あっさりと応えてもらえた。このあと、マスコミでも自然な形で、健康状態が報道された。ほかの政治家であれば致命的である。まして禁じられたアルコールを飲んでいると公言するあたり思わず笑ってしまった。それが笑えない結果になった。

(続く)




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