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【投稿連載】

問い質す!憤懣やる方ない、この怒り。
 
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(2)笑えないぞ!その11 『異次元の門−1』

by イジワル・ジイサン
税務署の調査イメージ

■零細企業は百円からチェックされた。

街の零細企業にも5年に1度の割り合いで税務署の調査が入っていた。100円でも領収書のないものは控除を認められなかったから、いつ調べられてもよいようにしていた。

私の会社は資本金1千万円。年商6千万円。小さな出版社を約15年続けた。私が代表、妻が役員、従業員は女子2名。社外嘱託4名。軌道に乗るまでの3年間は毎月200万円の赤字、軌道に乗ってトントン。赤字になった後の4年間は青息吐息であった。

東京信用保証協会の保証で取引銀行には信用があった。それは10以上、毎月きちんと返済していたからである。金銭と女子社員の管理は妻にまかせっきりであった。会社は14年続いた。思えば法人税、消費税(売上税)、源泉徴収税、健康保険料、住民税、自動車税などや人件費、事務所家賃30万円なども毎月きちんと支払い続けていた。

200円、500円の交通費も出金伝票に明細を書いた。文房具費など領収書をとれるものは100円でも添付した。平成7年頃、所管の税務署が調べに来た時は3日間かけてチェックされた。1千円の使い道も「領収書が必要」といわれ、交際費も月3万程度以上は認められなかった。私と妻の給料は合わせて50万円である。必要なぶんだけもらうことにしていた。いくら高給を設定しても足りなくなれば借り入れしなければならない。だから消費税ぶんを100万円単位で納税した時は「これで国民の義務が果たせた」と満足したものだ。零細企業主で、このような思いをした人は多いと思う。戦後、こうした零細業者の果たす役割は多かった。

「納税は国民の義務である」と私は多くの人に語った。そういうことがいえる自分に誇りをもっていた。自分がきちんとしていなければ他人のことはいえない。苦しいやりくりをしても納税した。

忘れられないのは妻が80万円の宝くじに当たった時である。喜びとともにむなしさがあった。妻は30万円足して納付が遅れていた計110万円を泣く泣く税務署へ収めた。売り上げに伴う消費税は預かり金でもある。しかし消費税を払わない広告主は多く、まさに売上税であった。当社は広告収入だけだからゴマカシができない。

窓口は無愛想にポンと受領印を押した。「役所はいいね。つぶれる心配がないからね」と妻はため息をついた。「税金はちゃんとした使い方をしているのだろうな」と心の中で叫んだ。

行政の支出に関心を持った。容易にはわからなかった。民間企業の決算書とは計算方法が異なるし形式も違った。しかも膨大な印刷物の量である。議員に配られる決算報告書はあるが、とてもわかりにくい。

その結果、救いようのない絶望感を味わうことになった。信じられない民間感覚との乖離(かいり)であった。これは都(県)や国のレベルになるともっと難解になる。まず税金の使途を誰でもわかりやすく、インターネットで閲覧できるようにすべきだ。れいさい民間企業に数百円の領収書を求め、香典や結婚祝いの受取証まで求めるなら税金の使途は100円から公表する義務がある。マジ。  (続く)




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