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まず平成19年の防衛省を総括してみたい。
同年1月9日、防衛庁が防衛省へ昇格した。これで警察庁、警視庁より上になったぞと喜んだに違いない。だが目立つ存在になった。目立つと見逃されていた影の部分が、さらけだされることになる。この場合、当事者たちは影でやるべきことを堂々と表でやることになんらの痛痒も感じていなかった。まず世間の耳目を集めたのは初代の防衛大臣となった久間章生衆議院議員だ。彼は長崎県選出なのに「原爆投下は仕方がなかった」と発言した。被爆国日本の政治家として無神経であり勘違いもはなはだしかった。
次いで防衛大臣となった小池百合子衆議院議員は次官人事に手をつけた。官僚トップの守屋武昌防衛事務次官が「どうして俺を辞めさせるのだ」と安倍総理大臣に直訴する。大臣より官僚が強いという一面を見せつけた。「携帯電話で連絡の取れない時があった。緊急時に支障があるのではないか」と小池大臣は発言「イージス艦の中枢機密漏洩の責任をとる」と大臣を辞した。遠慮した表現だが、このジャブは効いてくる。守屋次官は小池大臣離任式の3日後、推定7千万円の退職金をもらって退職した。(8月31日)その直後から山田洋行との露骨な癒着ぶりが問題化、衆院の証人喚問にさらされ、やがて逮捕された。
次いで防衛大臣となった石破茂衆議院議員はテロ特措法の期限切れにより、11月1日、インド洋上における給油活動の停止を命じた。6年間で600億円という数字がテレビのテロップに流れたが、新聞やインターネットでは見かけない数字であった。衆議院は自公多数だが参議院は民主多数という「ねじれ国会」で実現した快挙であった。
防衛省には防衛庁時代から問題が噴出していた。1980年代半ばから防衛施設庁の談合事件、機密漏洩事件、薬物事件、天下りは日常茶飯事。平成17年からの再発事件だけでも目を覆うものがある。
@魚雷データ流失事件A陸上自衛隊ミサイルデータ流出事件。B海上自衛隊機密資料流出事件。C防衛庁ホームページ機密情報流出事件。D三沢基地データ流出事件。E航空自衛隊那覇基地の警備訓練に関するデータ流出事件。F陸上自衛隊中部方面隊第十四旅団所属自衛隊員パソコン無料持ち出し事案。など。
いずれも国民にわかるような再発防止対策などあろうはずもなく、防衛省は、ますます巨大化した。給油問題で「国際貢献は必要」という。その費用だけで年間100億円である。インド洋上に100億円棄てる説得力はない。
オーストラリアの政権変化など国際貢献も「アメリカ一辺倒ではどうなのか」という国際的空気もある。給油撤退は絶妙のタイミングであったのかも知れない。日本が政治的航海に後悔しないことを祈るばかりである。 |