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小沢一郎氏は罠(わな)に落ちたのではないか?安倍前首相の申し入れを断わり、米国駐日大使と二人だけで会うことを避けた民主党代表の小沢氏が、2度も福田首相と密談した。その結果、小沢氏が「大連立話を持ちかけた」と報道され、どちらが提案したのかという記者の質問に、福田首相は「アウンの呼吸だ」と意味深なコメントを述べた。これは小沢提案説を肯定するようなものである。
小沢氏はマスコミに抗議文を出した。その一部をご紹介しておこう。「…特に11月3,4日両日の報道は、全く事実に反するものが目立ちます。私の方から党首会談を呼びかけたとか、私が自民、民主両党の連立を持ちかけたとか、果ては今回の連立構想について「小沢首謀説」なるものまでが、社会の公器を自称する新聞、テレビで公然と報道されています。いずれも、まったくの事実無根です。…朝日新聞、日経新聞等を除き、ほとんどの報道機関が政府・自民党の情報を垂れ流し、自らその世論操作の一翼を担っているとしか考えられません。…各種報道機関が一日も早く、冷静で公正な報道に戻られるよう切望いたします。平成19年11月4日、衆議院議員 小沢一郎」
しかしマスコミは怒涛のように小沢氏を追いつめ、その抗議は吹き飛んだ。まるで黒澤明監督の映画「羅生門」を見るようだった。
11月4日(日)の午後、民主党代表・小沢一郎氏の辞任記者会見がおこなわれた。福田首相との密談で「大連立」を話し合い、持ち帰って党幹部の諒解を得ようとしたが全員に反対され「代表の私に対する不信任」だと辞意を表明した。また「壊し屋だ」と報道された。
密会以前。森喜朗元首相や中曽根康弘元首相が「大連立論」で動いていた。問題はマスコミのボス読売新聞の渡辺恒雄会長が仕掛人の一人だということだ。公平中立を守るべきマスコミが国政を陰で動かすという驚くべき姿をみせた。
抗議文はそれをにじませた。今回の小沢氏辞任劇は福田首相との密室会談で何が話し合われたか。その中身が明らかにされないことにも混乱の原因がある。「大連立案」は、それぞれの組織が黙って従うわけではない。独裁国や共産国家ではない。選挙で国民に「連立してよいか」諒解を求めるべき案件である。
マスコミは異常だった。突然の大連立報道は非現実的であることを指摘すべきであった。「誤報」(かもしれない)の大合唱は国を滅ぼしかねないという恐ろしい教訓を垣間見せた。これは危険な傾向である。
民主党は着実に支持層を増やしていた。参議院で多数席を確保し国政調査権などを確保。国民は「これでようやくチェック機能ができた」と納得した。次回の衆議院選挙では「民主多数は無理でも議席は増やす」と見られていた。
それで十分ではなかったか。自民をキリキリ舞いさせたまま、民主の公約を実現することは可能だった。参院勝利で千載一遇の好機を迎えていたのである。二大政党時代を迎えつつあった。自民党は、なすすべをなくしていた。自民党は村山内閣で最大野党だった社会党を消し去った前科がある。民主党は、もっと自民党に警戒すべきであった。
安倍政権の墜落でどん底にいた自民党は、民主のイメージダウン作戦成功で、うまい酒を飲んだのではないだろうか。この騒動の最中、ガソリン代、食品、電気代など生活用品の値上げが報道され11月6日は「消費税」増税のニュースが流れていた。
11月7日。小沢氏は「辞任」を撤回し「恥をしのんで」続投すると発表した。密室会談は、もうコリゴリ?
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