舞台制作日記

〜苺のささやき〜
2006年7月18日(火)

金沢紀行

名古屋に向う新幹線の中です。

加賀百万石。古都金沢には小学校2年生の一年間を過ごした思い出があります。
父の仕事の関係で、転校を繰り返していた私は、それ以前に住んでいた滋賀県の琵琶湖に程近い風光明媚で
自然豊かな所から、いきなりビルが立ち並ぶ都会に引越しをしたので、ある意味カルチャーショックだったのを覚えています。
そんな強烈な印象のある金沢には、公演で何度か訪れた事はあるのですが、所謂頼まれ仕事だったので
私の企画した舞台での公演は一度も無く、この夏の営業が何度目かの挑戦になります。
【故郷に錦を飾る!】はなかなか難しいです。
聞けば金沢の人達は、自分の感情(特に喜劇を観て笑う事)を面に出さない人達だそうです。
そうなると、俄然力が湧きます。なんたってコメディカンパニーとして18年やってきた我社が、一番最初に
金沢の人達に声を出して笑って頂きたい!そしてその面白さを全国の人達に認めて貰いたい!
 
その日の金沢の気温は32度。アスファルトの照り返しが眩しく、横断歩道を渡る時、思わず目を瞑ってしまう
程でした。でも懐かしの香林坊は数十年前に母とよく買い物に訪れた時と同じで大勢の人で溢れ賑わっていました。
そう言えば、小さな私は休みの度に母に「賑やかな所(香林坊)に行こうと!」せがんで困らせていたような・・・。

数年前、シェークスピアの「リア王」の公演で金沢文化ホールを訪れた時、母が観に来てくれたので、折角だからと楽屋口で
待っていて貰い、ホテルに戻る役者を片っ端から捉まえて写真を撮りまくりました。
平幹二朗氏・藤木孝氏・勝部演之氏・新橋耐子さん・一色彩子さん他沢山の役者さん達と写真に納まる母は、
少し恥ずかそうで、どこか誇らしげな顔をしていたのを覚えています。
同じ楽屋口で待っていた、文学座の原康義氏のご友人に、「正に今日の舞台そのもの、親孝行の鏡だね。」と声をかけられました。
その数年前から寝たきりになっていた、父の看護で疲れ果てていた母にとっては、束の間の休息だったのは確かですが・・・。

次回は富山からです。


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