私の介護日記 


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7月17日 『好物の鰻』
日曜日、久しぶりの日差しが見え、さわやかな早朝でした。母を車椅子に乗せて散歩がてら、母の好物をランチでと思わせる気分でした。ランチにはまだ2〜3時間あるのでカステラとフルーツなどを食べ、出かける仕度を始めました。

しかし先程まで射していた日差しが消え雨が降りそうな気配です。中止しようかと思いましたが、母が「せっかく、今日を生きる楽しみが出来たのに・・今日のお昼は、お腹が鰻を待っている」と言います。

11時を過ぎた頃、外は霧雨が降り出していました。母を玄関に待たせてタクシーを拾って、母を乗せ、家から10分位の鰻屋まで行きました。タクシーの運転手さんが親切な方で、母が乗りやすいようにと、右側のドアーを開けて下さり、乗っている間も母に何かと話しかけて下さいました。

これからは高齢化が益々進み、若い人達のちょっとした手助けがあれば、本人も同伴者も助かるなぁと考えながら、タクシー料金を支払いました。

雨が降っていたので私が先に降り、傘をさし母を降ろしました。おつりは母の手に握られていました。鰻屋さんは最近遠のいていましたが、以前はよく行っていましたので、たいへん喜んで下さいました。

待つこと10分程、うな重が母の前に置かれると、手に握っていたおつりから、ごくごく小さく折った千円札をお姉さんに渡すのです。

お店の方も困った様子です。私も一言口添えし、何とか受け取って頂きました。母は終始ニコニコとし、おいしそうに全部食べました。昔から母は鰻が好物です。母が子供の頃、母親が毎月観音様のお参りに連れて行き、帰りには必ず鰻屋に寄りうな重を食べさせてくれたようです。

私にとっては祖母ですが、大変粋な人で、鰻・てんぷら屋に行っても、丼物でなく必ずお重を注文したそうです。

食事が出てくると帯の間から小さな袋を取り出し、お姉さんに渡すとお茶のサービスが子供心にも明らかに良くなったのが解ったそうです。

お店の方も母が高齢なのを知っていますので、ご飯は半分程にして下さいます。そして待っている間も近況を聞いて下さり、コミュニケーションにより、心通じ合えるものが生まれてくるのですね。

お勘定の後、お店からゆず入り山椒の缶をお土産にいただき、返って迷惑をおかけしたように思えます。ちょうどお昼時だったので、他のテーブルの方々にも気を遣い、家へ帰りましたら、ドドッと疲れが出たように感じました。



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