「最終稽古」とうとうここまで参りました
夏らしい白色の日差しがカンカンと照りつける8月1日に始まった「好色一代女」の稽古は、早くもこの日(8月28日)が最終日。全幕の通し稽古を終えると速やかに稽古場を撤収し、明日にはいよいよ劇場入りです。
良質に出来上がった稀代の本を前に、出演者はおろか演出の山田和也氏、プロデューサー・中根公夫ですら「始まってみなければ、どうなるかわからない」というくらい、いわば暗中模索の中でスタートを切ったこの作品も、作品に関わる全ての人々の努力によって芝居の全容とともに間もなく上がる初日の幕が見えて参りました。
さて、本日のつぶやきはそんな稽古場の最終日の模様をお伝えして参りましょう。
最終稽古は、衣裳と鬘(カツラ)だけは稽古場用のものを用いたものの、あとは本番通りに行われました。開始が予定時刻の13時を10分ばかり回ってしまったのは、行方不明となった “駒鳥” (大切な小道具であります)を一羽、演出部スタッフが総出で探していたからでございます。(行方をくらましていた駒鳥は、これを使って最後に芝居をした宮本裕子ちゃん演じる弥勒(みろく)の舞台衣裳の袖口から無事に捕獲(?)されました)
他のスタッフは兎も角小生などは稽古が始まってからは週に一度、日曜日にしか顔を出さなかったこともあり、作品全幕を通して観るのは勿論これが初めて、2幕目を観たのもこの日が初めてでございました。お陰でこの日は朝からワクワクドキドキ、「あの場面、あの台詞はどんな風に演出されているのだろう?」とか「あのシーンは本当に本に書いてある通りにやるのだろうか?」などと、期待は膨らむばかり。子供の頃に連れて行ってもらったサーカスだって、始まる前にこんなにドキドキはしなかった筈でございます。
亀治郎さんが指定席としている音響席の後ろのさらに斜め後ろの壁際に立ち、20分の休憩を挟んで観た通し(稽古)は約3時間(休憩含む)。それこそ「あっ」という間のひと時でございました。えっ、感想ですか?ヘヘヘ・・・それは皆さまどうかご勘弁下さいませ。ご自身の目でお確かめになられた方がよろしいでしょう。手品だって、種を判ってから見たってつまらないじゃぁありませんか!? ただね皆さま、これだけはお約束しましょう・・・。この作品は楽しいことこの上もございません、と。かつて溝口健二監督による同名の映画がございましたが、あの暗いイメージとは大違い、(決して暗いのが悪いということではございませんが)これが同じ原作を用いた作品か?と思えるほどこちらは“カラッ”と仕上がった爽やか作品になっております。そしてまた、津軽三味線の天才奏者、上妻宏光氏のアドリブの効いた演奏も聴き応え満点で、それがまた心地良いのなんのって・・・。ただ、余りにも三味線の音色がジャズとマッチして、予め心しておかないと気付かないうちに聴き逃してしまうかも知れませんので、この点はどうぞご注意下さいませ
さあこうして我がカンパニーはいよいよ劇場へと乗り込んでいくわけですが、果たしてどのような舞台となりますことやら・・・。こちらとしては確信犯であるわけですが、先日朝日新聞に載った市川亀治郎さんの取材記事では“実験色の濃い舞台”という表現をされておりました。まあ確かに様々な試みをされておりますからねえ。しかしまあそれも良しと致しましょう、その結果はいずれ間もなく出ましょうほどに・・・。
通し稽古を終えた出演者は休む間もなく、演出家からの駄目出しを受け、その後はカーテンコールの段取りとその練習。それが終わると更に踊りのシーンのおさらい稽古と、この日も最後の最後まで汗だくの大奮闘でございました。
出演者、そして演出部、照明、音響、衣裳、メーク、全てのスタッフの皆さま、どうぞ大阪の舞台の幕が下りるまで、千穐楽の乾杯の瞬間まで、体調を維持して頑張って下さい。
そしてこのつぶやきをお読み下さっている皆さま、劇場でお目に掛かれる日を楽しみにしております。 ではでは
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