「1+1=2?」
今月の一日より始まった稽古も早や3週間を過ぎ、難解にして摩訶不思議なこの作品、新「好色一代女」の全体像がようやく見えて参りました。
佳境を呈してきた制作現場・・・。本日のつぶやきもそんな稽古場の様子をお伝えしましょう。
今回の舞台、膨大な台詞を操る主役の佐久間さんのご苦労は言うまでもありませんが、若手出演者も苦労では負けてはおりません。何せ一人で9役もこなさなければならない出演者もいて(註)、皆さん連日汗だくになって稽古に励んで下さっております。これを八面六臂の活躍と云わずして何と申しましょう・・・。お陰さまで(?)冷蔵庫の水やお茶が売れるわ、売れるわ・・・。現場付きの制作スタッフも冷たい飲み物の準備に大忙しでございます。
さてこの日の稽古は第一幕・第一景、オープニングの竹林の場面より一幕最後の第七景まで、場面ごとの小返しでございます。先週大まかではあるものの、何とかエンディングにまで辿りついた演出の固めの稽古であります。
この日からは前日にレコーディングされた40以上の楽曲(音楽監督・島健さん指揮のもと、18時間もかけて録音されたものです)が音響スタッフの手によってスタンバイされ、本番通りに絶妙のタイミングで役者の演技に重なっていきます。これにはまだ上妻宏光氏が演奏する津軽三味線の音は加わっていないものの、効果音しか無かったこれまでの稽古を考えればまるで別の芝居のよう・・・役者だって自ずと稽古に力が入ろうというものです。それにしても本当に島さんという方は、いやはや大した御仁ですなあ・・・。(これまでに何度同じことを申し上げたでしょう)どんな曲がどの場面で用意されているのか具体的に聞かされていない出演者や小生など、曲がかかる度に「!!!」の連続でございます。稽古の途中、シリアスな台詞を喋っているにも関わらず思わず“ニヤッ”っと顔がほころんでしまう出演者もいたりして、「目から鱗が落ちる」というのはまさにこの事でございます。この作品、見所は山ほどあるのですが、音楽だけでも充分お楽しみ頂けるのではないでしょうか。
世の中には1+1が2ではなく、その答えが3にも4にもなろうという事が実際に生じるものでございますが、芝居(舞台制作)の世界はまさにこの連続でございます。出演者、スタッフの組み合わせは足し算ばかりでなく、掛け算にもなるのでございます。(怖いことに引き算や割り算になる場合も有りうるのですが・・・)後は本番で舞台上の役者の演技と客席からの反応とが、どういう化学変化を起こすか、これが楽しみでございます。「お客様も舞台には欠かすことの出来ない共演者なのですから・・・」(ちょっと月並みだったかしらん?)
ではでは
註):本来、この本の文字面(もじづら)だけを拾って数えいったら、数十人の登場人物がおります。そんな本を今度の舞台では僅か14名という顔触れでやっちまおう、ってんですから、一人で8役・9役をこなす出演者が出てきたっておかしくはありません。声色や立ち居振る舞い、髪型、衣裳などを変えて演じ分けるこの苦労・・・。役者っていう職業も楽じゃぁございません。これを遣り甲斐と感じていてくれていると有難いのですが・・・。まあその本心は千穐楽の打ち上げパーティーの時にでもそっと聞いてみましょう。(今それを確かめるのは怖い気が致しますので・・・)
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