ぶたい制作日記 2005年5月20日(金)

「結果報告」〜あぁ、やれやれ〜

さあてさて、「憂鬱な春」という些か大げさなタイトルで小生が抱える少しばかりの憂鬱をお聞き頂いた前回のつぶやき・・・。果たして皆様はお読み下さいましたでしょうか。

あれから一週間・・・“今をときめく若手経営者30数名を前に小生がありがたいお話をする”という何とも無謀なイベントがつい先日とうとう実施されました。本番当日を迎えるまでの数日間、いつになく緊張した日々を過ごした小生ではございましたが、これといった大事故も無く、何とか無事に乗り切ったことにより此度の憂鬱はひとまず落着致しました。あぁ、やれやれ。

お伝えしたい話題は他にもあるのですが、折角ですもの、今回のつぶやきでは皆さまへのご報告かたがた、その時の模様をお伝えすることに致しましょう。

5月18日(水)風強し。恵比寿に屹立したWホテルは一流の名に相応しく凛とした佇まいを見せておりました。

この無謀なるイベントを企んだ(?)鹿児島出身の友人とJR恵比寿駅で落ち合った小生、前日はいつもより早めに床に就き、エネルギー充電は完璧の筈だったのですが・・・実際には顔は青ざめ、心なしかふらつく足元を友人の肩に助けられながら、憂鬱のうちにホテルの毛足の長い絨毯を踏んだのでございます。会場となる地階には幾つもの部屋がそれぞれの入り口に取り付けられた重い扉とともに並び、やがて突き当たった奥の一室。『ロータリークラブ定例会会場』という札がかけられた部屋が、この日小生が向かった目的地でございました。

室内は想像以上に広く、(披露宴会場としても使用されているのか?)テーブルウェアが既に調えられている8人掛けの丸テーブルが5ツ、正面にはスピーチ用の演台がマイクとともに設置され、その脇には司会者用のやや小ぶりの演台も並んでおりました。入り口右手の受付テーブルで友人が来意を告げると、当日の配布資料を封入していた事務局のスタッフがおもむろに立ち上がり、「まあ先生、お早いお着きで。本日はようこそお出で下さいました」と下へも置かない丁重な扱い・・・。胸ポケットに差し込む大きな名札(なふだ)と“本日の式次第”を渡されたのです。

カラーで綺麗に印刷された式次第に恐る恐る目をやると、否が応でも目に飛び込んでくる小生のプロフィール・・・そしてスピーチのタイトル「一流の条件」・・・。

ここまで来ても尚「ああ、やっぱり断われば良かった・・・」などと考えてしまう小生の往生際の悪さを改めて思い知り、自己嫌悪に陥りました。もはや覚悟を決めるほかはないのに・・・。この期に及んで「急にお腹が・・・」「ああ、眩暈が・・・」「おっと、大切なものを忘れてきた・・・」などと言っても一体誰が信じてくれましょう・・・。たとえ一目散に駆け出したとしても、ふらつく足元では追っ手から逃げ果せる自信がない・・・。

そんな中、企みの友人は小生の不安なぞ何処吹く風。あろうことか、暢気に事務局スタッフと雑談をし、カラカラと笑い声を挙げているではありませんか。「おお、神よ。なんという悪戯か」「小生の一体何処が先生なのダ?」「一流の条件だと?」「一流でもない小生が、一流の何を語るというのか?」

昼食会が始まる12時30分、座り手を待っていた椅子にはいつの間にか自信に満ち溢れた経営者諸氏の顔が並び、用意された会場はほぼ満席。やがて司会者の挨拶とともにフランス料理のランチメニューが手馴れたホテルマン達によって手際よく配られ、昼食会はスタートしたのでございます。ランチメニューとはいえ、ちゃんとしたコース料理でございます。まずはオードブル。確か帆立貝のようなものだった・・・ような気がします。パンはフランスパンに手を伸ばした・・・はずです。スープが出て、確かこれは冷製スープ・・・いや熱いポタージュだったような気もします。メインディッシュを運んできた時、給仕のお兄さんが確か何か言ったような・・・「チキンソテー、何とかキノコソース掛けでございます」でしたか?兎に角、覚えちゃいないんでございます。ましてや味なんてワッカリマセ〜ン! 給仕されるがまま、目の前の食料を水の力を借りて何とか胃の腑に落としつつ、コースを締めくくる最後はデザートでございます。ええと、これは確か・・・ああ、ダメだ、思い出せない・・・。音などしない筈の腕時計の秒針の音が近くに聞こえ、13時スタートの小生のスピーチの出番が間もなく訪れようとしております・・・。と、視界の中に薄い雲が現れ始め、景色は霞み、次第に意識は遠くなって参ります。スーッと何かに吸い込まれていくような・・・ああ、何もかもが遠ざかる・・・。

「すみません、山本さま。折角盛り上がっている最中ではございますが・・・予定の時間が過ぎておりますので、そろそろ本日のまとめをして頂けないでしょうか!?」と、司会者の声がスピーカーから聞こえてきた。

途切れ途切れになった記憶を辿っていきますと、どうやら自力で直立した小生は、正面まで歩いて行き、スピーチをしたようでございます。何の話をしたかですって?実は全く覚えておりません。ただ、どうも喋り捲っているうちに、時計を見るのも忘れ、(実際には余裕が無かったのだと思います)困り果てた司会者が何とか話の中に割って入って下さったようでございます。

嗚呼、何たる体たらく。訳のわからないうちに始まり、そしていつの間にか終わっていた小生の“ありがたいお話”・・・。今となってはお土産を下さった時の事務局スタッフの、「お話の続きをまた是非聞かせて下さい、楽しかったです」の言葉を信じるより仕方がありません・・・。ではでは


追記:ちっとも舞台制作日記になっていない今回のつぶやき、皆さまには申し訳なく思っております。次号からは、またちゃんとした(?)つぶやきをお届けしたいと思っております。どうぞご了解下さいませ。

ところで、5月16日の「好色一代女」のチケット発売日は、お陰さまで事務所は朝から注文の電話が鳴りっぱなし。即日完売とはならなかったまでも、営業的には好調な滑り出しを果たしました。つぶやきの感想は勿論、チケットの問合せなどでも結構です。どうぞ何なりとご意見・ご要望を当サイト、中高年交流掲示板にお書き下さいませ。お待ちしております。 

× 閉じる