ぶたい制作日記 2004年11月20日(土)

「さあ、タイムスリップ!」

さあ皆さま、小生Bunnは現在1937年のエジプトにきております。

そう、舞台「ナイル殺人事件」で繰り広げられる物語の世界に入ってきたのです。

で、今回のつぶやきはここ、今皆さまが生きていらっしゃる2004年から67年も過去を遡ったエジプトからお届けします。


ここはシェルラルというナイル川下流にある小さな港町。小生がこのあと乗り込む遊覧船ロータス(LOTUS)号は今、目の前を流れる悠久の大河ナイルに浮かんでおります。

船が舫われた岸の近くには多くのエジプト人に混じり、世界中、様々な国からやって来たと思われる観光客の姿が見受けられます。衣服を身につけていてもなお肌を刺すように降り注いでくる強い日差しは、午後を回り太陽が西へと傾き始めた今、少しずつその手を緩めて参りました。

騒々しいのは土産物を売りつけようと観光客を取り囲んでいる子供たち。手に手に妖しげな品物を持ち、裕福そうな外国人を見つけてはその後を追いかけています。

そして、観光客相手に商売をする古ぼけた小型のバス。客を乗せ、ラクダを避けながら古代の王たちが残した数々の遺跡を巡り、またこの港に帰ってきます。


遊覧船ロータス号は、既に出航の準備が整っているのでしょう。さっきまで大きな箱を担いでタラップを行き来していた作業員の姿も今はもういません。では早速乗り込むことに致しましょう。もしかすると小生が乗客一番乗りかも知れません。

「えっつ?誰かに会ったらどうするのか、って?」

「大丈夫、小生の存在は“意識”だけ。姿・形は1937年の人達には見えませんからご心配なく。」


ゆらゆらと揺れる足場の悪いタラップを上っていきますと、船首の脇に出ました。ガラス張りの広い部屋があって…。扉が開いていますので、とりあえず入ってみましょう。

ははーなるほど、1937年の船の中はこんなふうになっているのですね。部屋の前方は全面がガラス窓になっていて、パノラマの景色を楽しめる造りになっています。そしてセンスのいい調度品、間隔をあけて部屋の四隅にはテーブルと椅子。テーブルの上には様々な言語の雑誌や新聞が置かれてあります。おそらくここは談話室のようなもの、乗客の共有スペースといった所でしょうか。

小生が入ってきた入り口の反対側にもデッキに繋がる扉があり、右舷にある客室への動線となっています。あっ、誰かいましたよ。あれがきっと客室係でしょう。白い服に赤い太めの帯のようなものを腰に巻き、頭にはこれまた赤い帽子を被った褐色の肌をした人です。彼は一体何語を喋るのでしょうか?

おっと、誰かタラップを上ってこの部屋に入って来ました。若い女性を連れた老婦人です。いかにもお金持ちそう。赤い帽子の客室係りが走り寄り、2人を案内しながら出て行きました。と、あれあれっ?誰かが右舷側の扉から入ってきました。男性です。20代の前半といったところ。ラフなスタイルをしたハンサムな若者です。

と、今度は左舷の扉から小柄で地味な服装をした女性が入ってきました。どうやらこの人も乗客のようです。誰かを探しているような動きをしておりますが……。


さあ観光船「ロータス号」にはこうして続々と乗客たち(この物語の登場人物たち)が揃ってまいりました。

ですが……。時空を超えた旅の疲れでしょうか、小生些か疲れが出て参りました。夕食までの間、どこか空いている部屋でも見つけて一休みさせて頂きたうございます。

荷物を解き、シャワーでも浴びてさっぱりしてからまたレポートを続けましょう。それまでしばしお待ちを。


ではでは

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