ぶたい制作日記 2004年10月29日(金)

「華麗なるトークショー 2」

さて今回は余計な前置きは致しません。
前号に引き続き “華麗なるトークショー”という名の“つぶやき”の続きを早速お届けしましょう。

Bunn 「さあ、少しは興奮がおさまりましたか。」
Y氏 「うん、もう大丈夫。いや、さっきは失礼。すっかり落ち着いたから...。じゃあ始めようか。」
Bunn 「では早速、稽古初日全体の感想からお聞きしましょうか。」
Y氏 「まあ兎に角だ、舞台作品の稽古場って来るの初めてだったし、緊張したよ、本当に。」
Bunn 「緊張って、貴方が何かするわけじゃないんだから...。いつもの貴方らしくないじゃない。」
Y氏 「だってそりゃそうだろ、俺以外みんな関係者だし、チラシで見た出演者が全員目の前にいるんだからサ...。」
Bunn 「ちょっと待ってよ。貴方だって関係者じゃない。そのつもりで呼んだんだから。まさか、お客さんのつもりで来てたんじゃないよね。」
Y氏 「あっそうか、そうだったよね。いやあ、そうか。俺も関係者だったんだ。そういやぁ、いろんな人と名詞交換もしたんだった...。途中からすっかり一演劇ファンになってたよ。」
Bunn 「まあいいですけど。で、どうでした?退屈はしませんでした?」
Y氏 「退屈なんてするわけないじゃない。本読みが始まったら、最初は感動してたんだけど、そのうちにもう面白くなっちゃって、ドキドキしっぱなしだったよ。」
Bunn 「うん、確かに今日の本読みは凄く良かったですよね。」
Y氏 「台本は勿論読んで来たけど、あれが実際に役者さんの生の台詞になると、ただただ感動だよナ。」
Bunn 「演出家も言ってましたけど、それぞれのキャストが自分の役をかなり作り上げてきてましたよね。」
Y氏 「ねえ、出演者って稽古が始まる前の日までに、どれくらい台本を読み込んでくるものなの?」
Bunn 「どうでしょう、それは人によってまちまちだし、例えば昨日まで別の仕事をされていた方なんかは、そんなに読み込むことは出来ないと思うけれど。でも演出家などは10回や20回じゃきかないですよね、きっと。」
Y氏 「兎に角凄かったよね。ラジオドラマだったら、あの本読みだけでもう充分りっぱな番組になるよ。」
Bunn 「そうですね。確かに・・・。」
Y氏 「でも本番ではあれに動きがついたり、照明が入ったり、装置が建てられるわけでしょ。何だか信じられないよね。この先、何処まで面白くなるんだろう…って。」
Bunn 「いい本(脚本)があって、腕のあるキャストと、いい演出家、それに優秀なスタッフが揃ってますからね。これで面白くならないわけ無いじゃない!って感じですかね。」
Y氏 「まったくその通り。だけど、これだけの面白さをまだチケットを買っていないお客様にどうやって知らせたらいいのかねェ。どうぞ稽古場に来て確かめて下さい、って訳にいかないしさ。これ、観なくちゃほんと、勿体ないよ。」
Bunn 「だからこうしてトークしてるんじゃない。」
Y氏 「あっ、そうか。そうだったナ。何だか俺まだ興奮しているみたいだ。」
Bunn 「ところで、うちのカンパニーではこれが4本目のクリスティ作品なんですが、その度に思うのは、ミステリーの場合ゼッタイに本を読んでから舞台を観た方が良いと思うんですけど、どう思います?」
Y氏 「えっ、どうして?だって、犯人や次の展開を知らない方が楽しいんじゃないの?」
Bunn 「貴方だって、台本読んでから来たんじゃない。でも、面白かったでしょ?」
Y氏 「まあそうだけど、でも、ミステリーの楽しさってやっぱり推理することが重要なんじゃないの。」
Bunn 「それも楽しみの一つではあるんだけど、一方では何にも予備知識を持たないで舞台を観た場合、どうしても台詞を喋っている役者にばかり目がいって、舞台の別の場所で別の人物が実はすっごく怪しい動きをしてたり、ストーリーによっては殺人を犯している現場を見逃してしまう可能性だってあるんですよ。それって、勿体ないでしょ?」
Y氏 「ああ、そうね。うん、確かにそうかも知れないナ。台詞を喋っていない役者の動きが実は大切なんだ、って演出家も言ってたもんナ。ああ、なるほどネ。」
「だけど、今回のこの脚本、売り物にはなっていないんじゃないの?この前のつぶやきでそう言ってたじゃない。それとも、この台本売るの?」
Bunn 「あっつ、そうでしたネ、そうか、一般の人は読むことが出来ないのか...。まずいこと言っちゃったナ。」
Y氏 「そうだろ、だから今回はさ、やっぱりお客さん一人一人が名探偵になって推理していくってわけだよ。もしくは、2回観る。1回目はストーリーを追って全体を観て、2回目は犯人を分かった上で細部を観る。」
Bunn 「まあ、そういうことになりますね。たまには良いこと言うなァ。でも、舞台上で台詞を喋っていない役者の動きを追うことって、この本の場合重要でしょ。」
Y氏 「そりゃあそうだよ。きっと、怪しい動きをいっぱいするんだろうな。」
Bunn 「しますとも!その辺は山田和也っていう演出家は我々の想像を遥かに超えた緻密な演出をするのが “売り”なんですから。凄いですよ、まるで数学の方程式を解いていくような演出をするんですから。」
Y氏 「そうなの?」
Bunn 「これまでの3作品はだからこそ絶賛されたんですよ。何たって、ストーリーを熟知しているミステリーオタクのお客様でさえ“ああもう一度観たい”って言いながら劇場を後にするくらいなんだから。」
Y氏 「ねえ、立ち稽古が始まったら、また稽古を見に行ってもいいかな?」
Bunn 「そうですね、じゃああと一回くらいお供しましょうか。でも、さっきのような興奮はやめ下さいよね。」
Y氏 「うん、わかった。約束する。」
Bunn 「さあ、コーヒーでも淹れましょう。休憩したらもうちょっと喋りましょうネ。」
Y氏 「ああそうだナ。で、ここで言うんだろ、ではでは、って。」

さあ、トークはまだまだ続きます。どうぞ次号もお楽しみに。ではでは

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