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私のお気に入りの一冊 読書イメージ
 

(4)KANE AND ABEL

By 貧しく醜く さん
ケインとアベル

<洋書>
KANE AND ABEL
著者:Jaffery Archer


<和書>
ケインとアベル 上 新潮文庫

ケインとアベル 下 新潮文庫
厚さ3.5cm、556ページ。
裏表紙の片隅に$3.10の値札があり、昭和61年12月26日購入と書かれている。
最初で最後の洋書である。
左の写真と手元にあるのは装丁が違う。
すっかり酸化して赤茶けている。
しかし、ページをそっとめくると、本の中の世界で登場人物たちが活き活きと動き出す。
まるで、映画「ネバーエンディングストーリー」のように・・・

1906年4月18日。
同日・同時刻に二人の男の子が生を受けた。
一人はポーランドの森の中で、獣のように。
他方はアメリカ・ボストンの施設の整った近代的な病院で、多くの人に祝福されて。
そこから、二人の壮大で数奇な波乱に満ちた人生の秒針が時を刻み始めた。

見事なまでに対照的な二人である。
貧と富。陰と陽。下と上。負と正。
接点を持った二人は当然に反発しあう。
結果的には最後の最後まで互いを相容れなかった。
が、・・・。

双方に記念すべきある日の晩、二人はばったり路上で出くわす。
思いもかけない出会いに動揺しながらも、片方が帽子のひさしに手をかけ少し上に上げる。
僅か2ミリ程度の上への移動。
それが男同士の挨拶だ。この瞬間から一気に終末へとストーリーは展開する。

成功者はよく言う。「運が良かった」
どうも間違っているようだ。人の運・不運は人の一生で見れば帳尻が合うみたいだ。
現にこの二人の主人公、境遇は決定的に違うが、どちらが幸せかは一概に言えない。
お金持ちが必ずしも幸せな人生を送るとは限らない。

60年近くも生きていると、もうこの辺でそろそろ、と息切れがしてくることがある。
そのたびにこの二人の主人公の生き様を思い出し、元気を搾り出すようにしている。
ゴールまで諦めることなく走り続ける。完走がせめての目標だ。


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