中高年・シニア世代の感動する情報
中高年・シニア・マチュア世代交流サイト【い〜悠々ドットコム】
文字サイズの変更
い〜悠々トップページ中高年の楽しむ情報中高年の感動する情報シニア世代の問い 御意見投稿

読書イメージ
 

(3)二十歳の原点

By 忘れな草 さん
二十歳の原点

二十歳の原点 新潮文庫
著者:高野悦子

ある日、本棚を片付けていたら、一冊の古びた本がスポリと手の中に入ってきた。「懐かしい」と思い、ペラペラとページを捲ると一行の文章が目に飛び込んできた。

「独りであること」、「未熟であること」、これが私の二十歳の原点である。

当時の記憶が、ビデオテープを早送り再生するかのように、瞬間鮮やかに蘇った。

全共闘、東大闘争、機動隊、放水、火炎瓶、シュプレヒコール、挫折・・・

「二十歳の原点」
著者は高野悦子。立命館大学文学部3回生。昭和44年6月24日午前2時36分ごろ、京都市中京区で国鉄山陰線貨物列車に飛び込み自殺。

昭和24年生まれの著者と同じ世代のため、彼女の自殺は強烈な打撃であった。
先を越されたとも思った。憑かれたように本を読み続けた。

『特に父母には年代のズレを感じる。父母は若い私達を認めようとしない。「若いからそうだが、やがて年をとれば年配者の言うことが正しいことがわかる」とこんな調子である』  ・・・原文より引用

この件を読んで、力が抜けた。
親に歯向かう若き自分と、したり顔で諭す老いた親の自分。
二人の自分がそこにいた。

20歳の高野悦子氏が綴る文章は、割れた窓ガラスの破片のごとく、一行一行が尖っている。そこまで純粋に考え込まずとも良いのに・・・若いときは自己に潜む「矛盾」を許さない、認めない。

「自分探し」なる言葉が昨今の流行りだ。
思うに、世界中探したって自分など見つかりっこない。
幸せの青い鳥も、希望も、勇気も、親に歯向かう己も、諭す親も、すべて自己の中にいる。悪魔そして神すら自分の中で息を潜めている。

若いときは、複雑怪奇な己と向き合う術を知らない。たった一つの純な自己にすがる。人は多重人格。普段はそれに気付かず生活をしているだけ。自分自身が知らない「自分」は掃いて捨てるほど、自己内に棲息している。

分かったようなことを言っているが、著者同様に未だ答を見つけていない謎がある。それは「なぜ人は生きるのか」だ。

恥ずかしながら、年老いた今でも
「未熟であること」これが私の原点である。



あなたを変えた特別な一冊をご紹介下さい。
投稿窓口

「私を変えた一冊」コーナーは写真の投稿は不要です。
本のタイトル、著者をご明記の上、感想をお寄せ下さい。




い〜悠々トップ   感動する一覧



関連書籍