
アルバム名:ポール・モーリア・ベスト25
アーティスト:ポール・モーリア
曲目リスト
1.オリーブの首飾り
2.涙のトッカータ
3.エーゲ海の真珠
4.恋は水色
5.蒼いノクターン
6.真珠とり
7.シバの女王
8.この胸のときめきを
9.カトリーヌ
10.雪が降る
11.愛の休日
12.マミー・ブルー
13.イエスタデイ・ワンス・モア
14.果てしなき愛
15.輝く星座
16.そよ風のメヌエット
17.インシャラー
18.コンドルは飛んで行く
19.悲しき天使
20.フィーリング
21.ひき潮
22.愛の終りのサンバ
23.想い出のサンフランシスコ
24.ポール・モーリアのアダージョ
25.明日に架ける橋〜
レット・イット・ビー(メドレー)
CD:ポール・モーリア・ベスト25 |
夏が来ると思い出すのが「純喫茶」です。
どんな田舎町でも一軒はあった「純喫茶」
古めかしい外観。壁には蔦などが絡み付いていました。
重厚な木製のドアを開ければ、薄暗い店内。
サイホンでたてるコーヒーの仄かな香り。
細い糸状で横にたなびいていた紫煙が、こちらが開けたドアの風圧で一瞬揺らぎます。
店内のあちこちに観葉植物が立ち並び、貧相なジャングルみたいな中を進み、壁際の隅っこの席に隠れるように座り、靴を脱いでネクタイを緩めます。
グァ〜グァ。
大型の業務用冷房機が本体を震わせ音を立てて冷気を吐き出しています。店内は冷凍庫のようにギンギンに冷やされ、冷房機の吹き出し口からは白いモヤみたいなものが見えます。
なぜか、「純喫茶」には背の高いほっそりしたウエイトレスさんがいました。間髪をいれず、スチールの盆にお冷を載せて注文を聞きに来ます。
メニューも見ず一言。「コーラ」
隣の席の女性は「ミックスジュース」を飲んでいます。
あの頃はぶ厚いグラスに入った山吹色の「ミックスジュース」を飲むのがお洒落でした。
その内に、コツコツとヒールの音を立てて、「コーラ」を持ってきてくれます。コカコーラのボトル丸ごと1本。そして「ミックスジュース」と同じぶ厚いグラスに氷を八分目入れています。レモンのスライスも不可欠なアイテムです。
添えてあるストローを無視して、ガボガボとコーラを入れて、レモンのスライスを唇で押して止め、一気に飲み干します。まだコーラの瓶には1/3ほどコーラが残っています。シアワ〜セ・ダナ〜。
「ハァ〜」
「ゲボ」
盛夏の昼下がり、束の間の涼しさを楽しんだものです。
そんな「純喫茶」定番の音楽が軽音楽。
うるさくもなく程よい音量で店内を静かに流れます。「純喫茶」では誰もが一様に静かです。本を読むもの、目を瞑っているもの、おしぼりを額に乗せ天を仰ぐもの、声を押し殺してヒソヒソ話をするもの・・・
辿り着いた都会のオアシスで、誰も彼もがホッと息をついていました。
今の「スターバックス」にはない小市民の「憩い」があったような気がします。
了
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