中高年・シニアの雑記帳

中高年・シニア交流サイトい〜悠々
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VOL.1 〜前文に代えて〜 

当サイトの制作担当者より「暇にしているんだったら、何か書いて投稿してくれないか。たとえば『私を変えた一冊』という欄に」と、声を掛けられたのはもう3ヶ月程前のことになるだろうか。
(まったく面倒なことを…)(なにも今更わたしが恥を忍んで稚拙な文章を書かなくても…)と、その場は敢えて即答は避け、何とか断る上手い口実はないものかと暫く考えていたのではあるが、年末年始の静かに過ぎていく時間ときの中で、家に篭り何冊かある読よしの本を捲っていた時にどうしたわけか“フッ”と書いてみたくなった。いったい心の内にどんな変化が生じたものか…。人間の心理とは誠に不思議なものである。

ところがである。(それでは久しぶりに何かつづってみようか)と、いざ机に向かってはみたのだが、ペンを持つやいなやたちまち頭を抱えてしまった。『私を変えた一冊』と云っても、具体的な本が思いつかないのである。と云うのも子供から大人へと人格を形成していく過程に於いて、わたくしの心と脳に何某なにがしかの影響を与えたものは一冊どころではないからである。

今のようにスイッチ一つで家中が温かくなる暖房システムなど無かったあの頃、重たいばかりで少しも温かくない布団に包まり、湯たんぽを抱きしめながら聴いた母の語る物語りから始まり、やがて字を覚え自らページを繰るようになった幼少期の絵本。中学生・高校生の頃、受験勉強もそっちのけで没頭していた小説の数々。大学生になり深い理解も出来ない癖にこれ見よがしに電車の中で広げていた哲学書。新聞評など半ば馬鹿にしながらも、会社の昼休みに小走りで向かった書店で買い求めた話題の新刊本…。自らの内に変化が起きたかどうかはさておき、何も感じなかった本などというものはおよそ有り得ないのである。(いや、何も感じない本は途中で投げてしまっていた)いずれにせよ、僅か一度の投稿でたった一冊だけを選択しその想いを充分に語るというのは余りにも無謀であり且つこれほど勿体ないことはない。

(ここはやはり丁重にお断りしよう)そんな思いで依頼主に連絡したところ、思いも寄らぬ応えがかえってきたではないか。「べつに『私を変えた一冊』でなくてもいいんだよ。それじゃあいっそのこと連載をしてもらおうか」と。さらに加えて「本の話題に限らず芝居や映画、そのほか衣・食・住の日常生活全般に亘って日ごろ感じ、思い、考えたことなどを徒然なるままに語ってくれて構わないよ」
“連載”という響きはいかにも大仰で、些か気の重い話ではあったのだが、ここまで云って貰ったら(或いは出来るかもしれない)と、制作者の巧みな誘いと心地よい煽てにまんまと乗せられ、これより暫くお粗末なコラムを投稿する決心をした次第である。

あちらこちらと道草を食いながら勝手気儘かってきままに書き連ねて参ります故、果たしていつまで続くものか予想もつきませんが、もしも皆さまのお目に留まりましたら、当サイトの末席を汚すこととなったこの名も無き庵にどうぞ一度お立ち寄り下さいませ。道草もたまにはよいではありませんか。茶菓は出せずとも無駄話をもって皆さまのおもてなしを致しましょう。ではまた近いうちに。

権兵衛







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