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振り返れば楽しきかな我が人生 人生イメージ


結婚恋愛「マイとボク」 ・・・写真-41-
By 千里一歩さん

昭和38年の正月
これまでは年齢をたどってきたが、出来るだけ忠実に年を追ってきたので枝葉をそぎ落としてきた。1枚の写真を出すのに何枚もの中から選ぶ。そうした作業で意外な時間をかけている。個人的に「これは出したい」と思っても写真と内容が合わないため出すことができなかったものも多い。今度は20代から40代にかけて、写真を見ながら枝葉の「マイとボク」を書き込んでみたい。プレイバックである。これはインターネットで「マイとボク」だけでも検索できるようにしていただいたのが動機。未公開写真とともに、その時代の結婚恋愛感を自白してみたい。

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昭和38年の正月。京都の一角。結婚式をしていないので、花嫁さんの雰囲気を出してみたいと、貸衣装で3日間を過ごした。これでも着付けをしてもらっている。長い振袖は独身女性のスタイルだが、そんなことは構わない。マイは「こんなところで…もっといい場所があるでしょう」とぶつぶついいながらカメラに収まったが。ボクのお気に入り写真の一つになった。ボクは撮影が好きである。中学校時代から演出に興味があり、1枚の写真にも必ずドラマを吹き込んでいる。マイも次第になれてくるのだが、はじめのうちはボクの凝り性に機嫌をそこねていた。

じつはこの写真では少し怒っているのである。この日は寒かったのだ。それなのに1時間以上歩かせていた。ボクはロケ地にこだわった。一目で、どこかわかる観光地なら、たくさん撮ればいい。その中に1枚や2枚は、必ずよい写真がある。この写真は全国どこにでもありそうな古寺周辺にしたい思いがあった。

東京から離れて暮らしている時なので、どこか寂しさがある。この写真のことではない。この頃のマイは複雑であった。両親、兄、姉妹、従兄妹などの大家族の中から飛び出して、ボクと暮らしはじめたが「この男と結婚してよかったのか」と考える時であった。たぶん女性は長い結婚生活の中で1度や2度は、そのような時があるようである。話が合う、仲がいいといっても、これからの人生を考えると限界が見えて来るのだろう。

ところが、ボクの場合は誠に楽天的だ。目の前のことを真面目に一生懸命やっていれば、「そのうち何とかなるだろう」(植木等のスーダラ節)と軽く考えている。ボクのよいところは仕事熱心なことである。賭け事もしないし、女遊びもしない。だから特に文句はない。しかし妻としては何かぎくしゃくする。

その結果、マイはボクの欠陥を発見した。「思いやりがない」というのである。何でも自分中心なのだ。例えば、寒い日でも歩きまわる。自分だけさっさと歩く。やさしい言葉をかけてくれない。自己中心なのだ。一言「ボクは、思いやりがない」というと「その都度いってくれればいいのに。ボクにはわからない。毎朝、愛してるといえばいいの?ゆっくり歩けばいいの?そうしてもいいよ」と極端に反応する。「そうじゃない」とマイはとまどう。上手に表現できない。つまり「いわれなくても自分で気付いて、その場に合った思いやりを見せて欲しい」ということなのだが。ボクはずっとわからないまま過ごすことになる。 

(つづく)


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