| 結婚恋愛「マイとボク」 -24- |
By 千里一歩さん
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昭和57年、二人ともカラオケ大好き。 |
ボクはニコニコ笑いながら「食欲」に走った。近視なのでスポーツは苦手だ。この頃は町の中にトレーニングセンターのようなものはない。唯一神田に卓球台のある貸しスタジオがあった。たまに行くことはあるが、ボクは汗かきなので床が水をまいたようにぬれてしまう。
タバコの本数もさらに増えた。その結果また胃がキリリと痛むようになった。神田の医院にしばらく通った。この医院はまことに露骨なところで新しい医療機が入ると全患者は最初必ずその機器の検査を受け「はい大丈夫」と消去方式で診断される。もともと無関係な診断が多く、近所でも「私も」と評判になっていた。
確か肝臓の検査器だったと思う。当然「はい肝臓は大丈夫です」と医師はいう。それはともかく、ボクは欲求不満と思われたくないので「仕事で神経を使いすぎたから」と医師に説明した。「食事を制限し、タバコをやめるか、減らすかしないといけません」といわれた。
その時「病気の多くの原因はストレスといわれますよね。タバコをやめてストレスになったほうがいいか、少しは吸ってストレスにならないほうがいいか、どちらでしょう」と医師を問い詰めた。われながら八つ当たりとわかる。困った医師は「ご自分の体ですからね」と冷ややかに答えた。同時に勝手にしろという表情をみせた。
飯田橋の病院に切り替えたが、この胃炎は慢性的になり、最終的には大手町のビル内にある内科の先生が問診のあと、何も言わず渡してくれた服用薬だけでウソのように治った。三年がかりであった。
ボクの胃痛の危険因子は間違いなく暴食にあった。たとえば間食に当時800円の大きな紙カップ入りココア・バニラを毎日食べていた。「おじちゃん。やせたいんでしょ。それは太るよ」とCにいわれた。ボクはタバコをふかしながら「じゃあ、明日からコーラにする」といい1,8リットル瓶のコーラを毎日飲むようになった。タバコをたくさん吸うと口の中がヤニだらけになる。当然、口内は何ともいえないイヤな味がべったりとつく。コーラで口中を洗う。洗ったあとは捨てるのでなく、ごくりと飲み込む。甘味と酸の味が清涼感と満腹感を与えてくれる。
こんな毎日を送るうちCの就職が決まった。HN氏の世話である。何と某大物代議士の秘書であった。ボクが保証人として代議士に面談「英語が上手で人前でもおじけつかない勉強家です」と売り込んだ。かなりオーバーだったが、その後Cは就職しボク達の住まいの近くでアパートを借りた。「わーい。これで二人になれたね」とマイに両手を差しのべると顔色を変えて「馬鹿もん!」と一蹴された。
(つづく)
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