昨年、書き上げた私の著作『会いたかった人、司馬遼太郎』にも登場する正岡子規。以前、根岸にある「子規庵」を訪問したことがあるが、NHKスペシャル・ドラマ『坂の上の雲』で子規の墓の映像を見たとき、一度訪れてみたいと思っていた。 正月5日、その時がやってきた。山手線田端駅から徒歩7分くらいのところにある大龍寺の境内、左奥の隅に子規の墓が静かにたたずんでいた。 中央に「子規居士之墓」、右側には「正岡八重之墓」(子規の母親)、そして左側には妹の律が眠っている。 さらに傍らに建立されている自撰の碑文には「松山藩士の子であることや、勤務していた日本新聞から月給30円をもらっていたこと」などが書かれている。 この近くには、田端文士村記念館があり、芥川龍之介などの著名な文豪たちが数多く紹介されており、とても文化的な土地でもあり、子規庵にも近いという恵まれた環境にある。
NHKの映像では、小高い丘のあたりに子規の墓が設定されていたが、実際にはこうした下町の静かな片隅にひっそりと存在していたのである。