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<Introduction>
キング×ダラボンが創造した、今こそ世に問うべき映画!
驚愕のラスト15分、あなたは一体何を見るのか......!?
恐怖小説の巨匠スティーヴン・キング原作×監督デビュー作から2作連続アカデミー賞にノミネートされた鬼才フランク・ダラボン監督・脚本による、恐怖と戦慄のミステリー大作『ミスト』。世界中を感動させた『ショーシャンクの空に』(94)と『グリーンマイル』(99)の最強コンビが、人間の本質をえぐり出すミステリアスな人間ドラマを創造した。中でも、原作小説にはないセンセーショナルなラスト15分は、観客に恐怖と衝撃を与え、全米公開では様々な議論を呼んだ。
どこか幻想的な一面を思い浮かべてしまいそうな"霧(ミスト)"。しかし、『ミスト』で描かれる"霧"は、人の心を翻弄する邪悪の象徴だった...。
のどかな田舎町を襲った嵐が過ぎ去ったあと、不審な深い霧がゆっくりと街中を包んでいった。霧にのみこまれていく街を見つめながら、身動きが取れずにスーパーマーケットに取り残された人々。デヴィッド・ドレイトンと幼い息子ビリーもそのひとりだった。時が経つと共に霧の中に何かがいることがわかり始めた。この世のものとは思えない生物が、無数に蠢いていたのだ。生き残るためには、店内にいる人々が団結するほかに術がない。しかし、人間の本質上、それは可能なのだろうか?
生物群団が襲撃すると、人々は恐怖とパニックに直面し、理性は音をたてて崩れ始めた。生物と必死に戦う者もいれば、殺される者もいる。恐怖に耐え切れず死を覚悟で店外に逃げ出す者もいれば、自殺する者もいた...。
デヴィッドと彼の賛同者たちは、霧に潜む凶暴な生物の群れと戦うと同時に、絶望に陥った人々の心を徐々に魅了していく狂信的なミセス・カーモディとも、対峙しなければならなかった。デヴィッドたちは、かすかな希望を抱いて最終決断をする。
それは彼らにとって、最良の選択だったのか? それとも呪われた運命だったのか? 衝撃のラスト...、意外な事実が判明し、未だかつてない驚愕の結末を迎える。
巨匠スティーヴン・キングの伝説的な恐怖小説「霧」を原作にした本作は、人間を異常な状況下に置いて、薄っぺらな文明社会の仮面を次々と剥ぎ取り、真の恐怖とは何か? を我々に提示する。ラスト15分、あなたは一体何を感じるだろうか......。
フランク・ダラボンにとってスティーヴン・キングの「霧」は、長編映画の監督デビュー作にと考えたほど、思い入れのある小説だった。長い間、温めていたがついに"潮は満ちた"と感じ、映画化に着手する。そんな『ミスト』には、フランク・ダラボンを信頼する、精鋭スタッフ&キャスト陣が結集した。
撮影監督にはTVシリーズ『ザ・シールド〜ルール無用の警察バッジ〜』(02〜07)の全シーズンを手がけ、様々な撮影技術を熟知したローン・シュミット。『ザ・シールド〜』で1エピソードを監督したダラボンを魅了した彼のテクニックが俳優たちの演技に迫真性を生んだ。
プロダクション・デザイナーには『マジェスティック』(01)でダラボンと組んだグレゴリー・メルトン、霧に潜む生物たちを手がけた特殊視覚効果チームには、特殊メイク界のベテランで『グラインドハウス』('07)のグレゴリー・ニコテロと彼のKNBエフェクツが、特殊効果コーディネーターに『マジェスティック』『バイオハザードIII』(07)のダレル・プリチェット、視覚効果監督は『シン・シティ』(05)、『パンズ・ラビリンス』(06)のCafeFXのエヴェレット・バレルが務めた。
キャストには、ダラボン作品で馴染み深い俳優やキング原作の映像化作品の出演俳優、そしてオスカー女優も集結した。観客を異様な世界に導く主役のデヴィッドにはキング原作の『ドリームキャッチャー』(03)やアメコミの映画化『パニッシャー』(04)などで人気を集めるトーマス・ジェーン、神を狂信的にあがめる重要な人物ミセス・カーモディには『ポロック 2人だけのアトリエ』(00)でアカデミー賞助演女優賞を受賞の演技派マーシャ・ゲイ・ハーデン、デヴィッドと対立する弁護士ノートンには映画界とTV界の垣根を超えて活躍し、映画『ポセイドン』(06)やキング原作のTV映画『死霊伝説
セーラムズ・ロット』(04)に出演したアンドレ・ブラウアー、マーケットの副店長オリーには『ネバーランド』(04)の英国実力派トビー・ジョーンズ、デヴィッドに協力する教師アマンダにはダラボンの『マジェスティック』(01)やヒット作『サイレントヒル』(06)のローリー・ホールデン、同じく教師アイリーンには『アウトランド』(81)やTV映画『スティーブン・キングのゴールデン・イヤーズ』(91)のベテラン女優フランシス・スターンハーゲン、マーケットのレジ係サリーには『リディック』(04)のアレクサ・ダヴァロス、そしてデヴィッドの息子ビリーには『バベル』(06)でブラット・ピットの息子を演じて一躍注目されたネイサン・ギャンブルが扮する。ほか、ダラボン作品に度々出演してきたウィリアム・サドラー、ジェフリー・デマンらが顔を揃えている
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<Story>
すべての人々の運命を「霧」に潜む"何か"が、狂わせていく─
そして彼は、まだ「絶望の果て」に"何"があるのかを知らない─
■嵐が過ぎて...
その夜、激しい風雨と共に雷鳴が轟き、町を嵐が襲った。湖のほとりに住むデヴィッド(トーマス・ジェーン)は、妻のステファニー(ケリー・コリンズ・リンツ)、5歳の息子ビリー(ネイサン・ギャンブル)と地下室に避難していた。
翌日は晴天。しかし、デヴィッドは湖の向こう岸に発生した霧の壁を見て不安になる。それは不自然にこちらに流れてくるのだ。とにかく彼は、息子と隣人の弁護士ノートン(アンドレ・ブラウアー)と買出しに行くことにした。
町で店が最も多く並ぶ大通りに着いた。デヴィッドは妻に連絡を取ろうとするが、携帯電話も公衆電話も不通だった。3人がスーパーマーケットの中へと入ると店内は大混雑。店長のバド、副店長のオリー(トビー・ジョーンズ)、レジ係の少女サリー(アレクサ・ダヴァロス)らは大忙し。そこに骨董品店の女主人カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)が入ってきた。
■霧がくる!
スーパーマーケットのレジ・カウンターには長い行列ができ、その中には軍服を着た3人の兵士、60歳代の女教師アイリーン(フランシス・スターンハーゲン)、若い女性アマンダ(ローリー・ホールデン)がいた。外で軍人が動き回り、町のサイレンが鳴り始める。すると突然、鼻血を流した中年男ダン(ジェフリー・デマン)がマーケットに駆け込んできて必死の形相で叫んだ、「霧の中に何かがいるっ!」。
マーケット内の空気が一変した。
人々が窓ガラスの方へ群がると、深い霧が駐車場の半分以上を覆っているのが見える。マーケットが霧に包まれると、突然大きな衝撃音が響きわたり、壁や天井にひび割れが起きた。
カーモディが「外は死、この世の終りよ」と言うと、人々は混乱し苛立だった。
■恐怖の襲来
発熱したビリーのため、デヴィッドが毛布を取りに店の奥の倉庫に入った時、不気味な物音を聞く。発電機をチェックしに来た副店長オリー、倉庫係ジム(ウィリアム・サドラー)たちと調べたが、不審なものは見当たらなかった。発電機を動かすために、外にある排気口を調べに行った男が、突然、触手を持った不気味な物体の襲撃を受けた。デヴィッドたちは懸命に彼を助けようとしたが、彼はその生物と共に霧の中へ消えた。
デヴィッドは皆がパニックを起こさないよう、まずは、弁護士のノートンに事件を説明するが信じてもらえなかった。そこで全員に呼びかけた。「霧の正体は不明だが、その中に危険な生物が潜んでいる」と。すると周囲から笑いが起きた。カーモディは、「終末の時が来た」と持論を展開するが、アマンダに一蹴される。デヴィッドが店長のバドを連れて倉庫へ行き、床に転がった不気味な触手を見せて、ようやく事態を納得してもらう。
■醜悪な対立とサバイバル
デヴィッドを信じた者たちは、駐車場に面した大きな板ガラスを保護するため、肥料やドッグフードの袋を防御用砂袋のように積み重ねていた。さらに、武器になるようなナイフ、モップの柄、液体燃料が集められる。
その頃、カーモディはトイレにいた。ロウソクに火を灯し、神に祈っていたのだ。トイレから戻ったカーモディは、「神の意志に逆らうことはできない」と言い出す。「今夜、彼らはやってきてあなたたちを捕まえる」と人々を不安に陥らせるようなことを話し、皆に反感を買うのだった。ノートンと数人の男性は、未だにデヴィッドを信じようとしなかった。また、3人の兵士は、離れたところで激論を戦わせている。
液体燃焼などの武器以外に、銃はないかとダンが尋ねる。アマンダが取り出したのは、夫から護身用に持たされていた銃だった。
夜になり、バリケードで持ち場に就いていた男がランプをつけた。すると突然、霧の中から巨大な虫のような生物が飛来、鳥のような生物も現われた。とうとうガラスを打ち破りマーケット内に侵入してきた。人々はパニックに陥り、悲鳴が響き渡った。店前方ではガラスの穴を塞ごうと男たちが動きまわり、人々は生物の飛来に逃げ回る。デヴィッドも火をつけたモップで生物たちと必死で戦っていた。カーモディは神の怒りを語り、聖書の引用文を叫んでいた。
■脱出
生物の襲来から生きのびた人々は絶望の中にいた。襲われて死んだ者、やけどを負う者、恐怖から自殺した者...。1人の女性が、カーモディが正しかったと言い出した。一斉にカーモディを見る人々。少しずつ彼女の信者は増えていった。礼拝を始めたカーモディのもとに集まった人々の中に、ジムの姿を見つけデヴィッドは驚く。そんな中、霧と軍の関係を疑ったカーモディによって、兵士の1人が儀式の生贄として外に放り出されてしまう。兵士は中に入れてくれと懇願するが、霧の中に潜む生物に捕まり連れ去られてしまった...。
とうとうデヴィッドたちは、マーケットから出て行くことを決めた。カーモディは「神の意志に反する」と言って激怒するが、デヴィッドは賛同する数人と一緒にマーケットから出た。駐車場は霧に包まれ、大きな生物が襲撃してきた。なんとか車を走らせてデヴィッドが自宅に立ち寄ると、生物の巣の中に囚われ、変わり果てた妻の姿を見るのだった。その場を去り、どこまでも包まれる霧をゆっくりと走り続ける。霧の中から巨大な怪物が現われ、彼らの上空を横切って姿を消した。やがて車のガソリンが切れて停止した。皆、希望を失っていた。デヴィッドたちは自分たちの運命を呪った。
そして彼が選択した最終決断。
さらに絶望の果てに待っている衝撃の結末とは......。
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<『ミスト』までの道のり>
伝説的作家スティーヴン・キングが成功を収め始めた77年頃、彼は才能ある他のアーティストたちへの支持を表明し、学生や野心を持った映画製作者たちに、わずか1ドルで彼の短編を映画化する許可を与えた。80年代初頭、本作の監督フランク・ダラボンは、1ドルの映画化権料で生まれた作品の一本の脚本を書き、製作・監督も務めたのだ。当時23歳で監督した、死を求める末期患者の女性についての短編「312号室の女」の映画版(83年製作の『スティーブン・キングのナイトシフト・コレクション』に『老婆の部屋』の題で収録)をスティーヴン・キングが気に入ってくれたのだ。
「スティーヴンの小説の語り口には、常に共感している」とL.A.育ちのダラボンは語る。「彼の小説、彼の生み出すキャラクターは、常に僕に語りかけてくる。いつもKOされてしまい、映画化したい気持ちになるんだよ」
ダラボンが『ミスト』の脚本を書いたのには理由がある。「キングの小説には、色々なタイプの人間が巧みに描写されているよね。「アトランティスのこころ」のように、ひどいプレッシャーと恐怖に追い込まれた時の人間、そして社会の崩壊を描いた作品が好きなんだ」
初監督・脚本作となった「312号室の女」を撮影した後、『エルム街の悪夢3/惨劇の館』(87)、『ブロブ/宇宙からの不明物体』(88)、『ザ・フライ2/二世誕生』(88)などの脚本を手がけた。しかし、キング作品で最も好きな「霧」(『ミスト』原作)の映画化は、いつも先送りになっていた。
「80年代に、カービー・マッコーリー編のアンソロジー「闇の展覧会」を読んだ時から、「霧」が大好きだったんだよ。いつか映画化したいと思っていたんだ」とダラボンは当時を振りかえる。
実は、『ミスト』はダラボンの初長編作品になっていたかもしれない作品なのだ。「86年、長編映画の脚本家デビュー作になった『エルム街の悪夢3/惨劇の館』のセットに座りながら、"これで脚本家としてのスタートを切ったから、次に監督として何をやるか考えよう"と思った。キングが僕の作品を気に入ってくれたから、「霧」か「刑務所のリタ・ヘイワース」(『ショーシャンクの空に』原作)の映画化権をもらうために彼に会いに行ったんだ」とダラボンは語る。
自問自答を繰り返しながら「刑務所のリタ・ヘイワース」の映画化を決め、ここから彼のオスカー・ストーリーが始まった。「結局、タイトルも『ショーシャンクの空に』となって、意図したものよりも、かなり上品な刑務所物に仕上げたよ」と笑いながら語る。94年に公開されたこの作品は、批評家や観客から絶賛され、今では20世紀に最も愛された映画の一本になっている。
<『ミスト』の魅力>
「霧」の映画化の情報は、以前から取り沙汰されていたが、実際にはダラボンは、数年前から準備を始めていた。「これはキングの伝説的作品であり、ファンは映画化されるのをずっと待ち望んでいたんだ。太陽系の惑星が直列になるのを待つぐらいずっと心待ちにしてね。そして、突然その時が満ちたんだよ。脚本は素直に書き進めることができた。原作には豊富な材料が詰まっていたからね」とダラボンは語る。
原作の核となるアイデアは、映画の中でも貫かれている。「ルールは取り払われ、迷信が理性を、パニックが思考を奪っていく。スーパーマーケットの中にいる人々に霧が襲ってきて、次に何が起こるかわからない。でも、本当の恐怖は店の外にあるのではなく、店の中に潜んでいたんだ。そこが原作の素晴らしいところだよ。店内の人々が反発し合い、友人や近隣の住民たちとの関係が突然崩れてゆく。そうなんだ、彼らこそが危険な存在だったんだ」
<キングが語るダラボン作品の逸話>
フランクと一緒に仕事をするのが好きなんだ。実際は、私は傍で見ているだけで、彼は自分の仕事をするだけ。だから、一緒に働いてはいないんだけれどね。フランクは作品の核心を見つめ、自分のビジョンを実行できる大人のテクニックと、子供のような想像力を合わせ持っていると思う。彼の作品には、他の監督作品には見られないような、<子供心と大人のテクニックの融合>が見て取れるんだよ。もちろん他にもそういった作品はあるけれど、フランクは常に見事な作品を作っていると思う。
フランクからは、いつも何か得るものがあるし、また収穫になるから、映画化してもらうのがとても嬉しいんだ。『312号室の女』、『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』(99)、そして今回の『ミスト』。私だけがそう思っているだけではなく、いつも多くの人から、彼の作品が好きだと聞かされてきたしね。
こんな実話があるんだ。私たちはサラソタの南方に半年住んでいたんだけど、(私と妻の間で)週一回は妻が大量に買い物に行くという約束をしていた。ある日、妻が買い忘れたものを、私に買いに行かせたんだよ。私がスーパーで小さなカートを押していたら、95歳ぐらいの老婦がこう言うんだ。"あなたのことは知ってるわ。あなたが、あの恐ろしい話を書いたんでしょ。決していいとは思わない、嫌いよ。私は、『ショーシャンクの空に』のような元気が出る作品が好きなの"と言ったので、"私の作品です"と答えると、"違うわ!"と言って去っていったんだ。それがすごく面白くてね。とてもシュールな会話だった。自分でも、うーん、ひょっとしたら違ったかも、と少し考えたよ。他の作品とはちょっと雰囲気が違うから、自分が書いたんじゃないかも...とね。それぐらいフランクが素晴らしい作品を作ったってことだね。
<『ミスト』の独特な撮影スタイル>
撮影監督ローン・シュミットはこう語る。「高い評価を得たTVシリーズ『ザ・シールド〜ルール無用の警察バッジ〜』は、ジョン・バダムやデヴィッド・マメットなどトップクラスの監督たちを惹きつけてきた。フランク・ダラボン監督も参加して、1エピソードを一緒にやったんだ。とても素晴らしい時間を過ごせたよ。彼は撮影クルーとも非常に密接に仕事をし、このシリーズのようにテンポが速くて、自由で簡潔なアプローチが好きなんだな、と理解したよ」
『ミスト』の撮影スタイルは、「今までになかったものをスクリーンに映し出したいという、アイデアから生まれたものだった。リハーサルもプランもなく、役者はただそこにいるだけ。我々はそれを捉えるだけなんだ」とシュミットは語る。「撮影がうまくいくと、観客にとってはリアルで個人的な体験になる。成功したときは、まるでマジックのようだよ」
『ミスト』では、ほぼ全部のシーンで撮影カメラを2台使用した。2台のカメラは常に回っていて、リアクションや面白いアングル、役者が輝く瞬間や絶妙な演技を狙っている。「2台のカメラはいつ、どの俳優を撮ってもいいという自由があるんだ」とシュミットは説明する。「ひとつの動きに集中するよりも、断片的なパーツを2台のカメラがキャッチする。カメラを回す人が、自分がおもしろいと思ったものについていくんだ」
撮影は、主にシュリーブポートの商業地域にあるステージワークスで行われた。12,000平方メートルのフード・ハウス・スーパーマーケットは、わずか6週間で建設された。鋭い観客は気付くかもしれないが、スティーヴン・キングのペーパーバックだけが本棚に並ぶといった、遊び心を随所に加えたセットだった。
ダラボンとプロダクション・デザイナーのグレゴリー・メルトンは、セットに普遍的な要 素が保たれるように気を使っていた。「未来と過去の要素をミックスし、現実からは少し距離を置いた設定にしている」とメルトンは語る。「レジはバーコードの読み取り式でなく、手打ちのレジにしたり、携帯電話を持っている人もいるのにダイヤル式の電話もあったり、いろいろな時代のものを登場させているんだ」
また、「ひとつのシーンをまるで舞台のように、最初から最後まで撮影した」とダラボンは言う。「カメラワークはすべて即興であり、縛りがなく、不規則で、ドキュメンタリーのようなアプローチもある。前もって計画せずに、その瞬間、瞬間を捉える。撮影カメラマンのビルとリッチー(リチャードの愛称)は、非常に直感的で、見たこともないようなスピード感覚を持っていた。シュミットの才能を含め、この3人はタイトな撮影スケジュールのための秘密兵器だったよ。彼らなしでは、決してなし得なかっただろうね」
スティーヴン・キングとダラボンは、何よりも人物をきちんと描写することに重きを置いた作家だとシュミットは言う。「俳優たちは、クローズアップ用の演技を要求されずに、撮影に面白いように適応していった。このスタイルだと、テイクごとに演技がどんどん良くなるはずなんだ」
<原作とは異なるオリジナル・エンディング>
『ミスト』には、原作とは違った、明確なラストが提示されている。「映画化で少しナーバスになったのは、原作ではラストが提示されていなかったということだね。我々も、最後にどうなったのか分からないんだ」。映画化に際して「決定的なラストを作ろうと決心した」とダラボンは語る。「すごくクールなラストになるかもしれないし、すごく嫌なラストになる可能性もあった。こういう映画では、決定的なラストがないととてもじれったい。だからきちんとした結末を作ろうと思ったんだよ」
エンディングについて、ダラボンはキングと話し合った。「彼は、私が大事に温めていたアイデアについてメールを送ってくれた。"もし私がこのラストを思いついていたら、小説の中で使っていただろうね"って言ってくれたんだ。すごい誉め言葉だよね。もし観客が徹底的に批判したとしても、私には原作者スティーヴンがついているんだよ」
キングはこうつけ加えた。「原作のエンディングは決して弱いとは言わないけど、母親がちっとも誉めなかった終わり方だよ。彼女は"ヒッチコックのような結末ね"と言っていた。ラストを観客の判断に任せるようなタイプで、彼女はそういうのを嫌っていたんだ。でも、フランクが本当に素晴らしいエンディングを考えてくれた。こんなことは初めてだけど、あまりに衝撃的だから、<ラスト15分について口外した者、絞首刑に処す!>と新聞広告を出すべきだと、心が揺らいだよ。このインターネット時代では、憎らしいことに、全てがあっという間に広がってしまうからね」
最後にダラボンは語る。「劇場を出て、何かを考えながら帰ってもらいたい。そしてこの狂気を味わい、緊迫感を体験し、『ミスト』にかけた約2時間を最大限に楽しんで、恐怖を存分に味わってもらいたいね」
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