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4月19日(土)よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマ他にて全国順次公開
ラフマニノフある愛の調べ

公式サイト  http://rachmaninoff.gyao.jp/


ラフマニノフある愛の調べ
c2007 THEMA PRODUCTION JSC c2007 VGTRK  ALL RIGHTS RESERVED
<Introduction>

『逢びき』『シャイン』から「のだめカンタービレ」まで──
数々の作品に流れる、心を捉えて離さない美しき旋律に秘められた、ある愛の物語


世界で最も美しく、最も弾きこなすことが困難な名曲を生み出す作曲家であると同時に、その曲を超絶的な技巧を持つ“魔法の手”で完璧に演奏できるピアニスト。

セルゲイ・ラフマニノフは、まさに天才だった。たとえ彼の名前を知らなくても、往年の名作映画『逢びき』から、ドラマ化された大ヒットコミック「のだめカンタービレ」まで、様々な作品に流れる「ピアノ協奏曲第2番」や、『シャイン』に登場した「ピアノ協奏曲第3番」なら、誰もが耳にしたことがあるだろう。
時代を超えて、今も私たちを魅了する名曲を生み出したラフマニノフは、驚くほど波乱に満ちた生涯をおくった。裕福な生家の没落、恩師との決別、初めての交響曲の失敗、作曲家生命の危機、ロシア革命と亡命、アメリカでの第2の人生──次々と襲いかかる運命の嵐のただ中で、彼はなぜ、永遠に残る名曲を書くことができたのか? そこには、秘められた愛の物語があった……。

すべてを捧げた初恋、短くも美しい恋、支え続ける愛──
ラフマニノフの人生を変えた3人の女たち


その夜、カーネギー・ホールは、熱狂的な感動に包まれていた。ロシア革命を逃れてアメリカに亡命したラフマニノフの、ニューヨークでの初コンサートが開かれたのだ。時は1920年代、人々は目の前で繰り広げられる音楽の奇跡に、破格の賛辞を贈り続けた。この日を皮切りに全米ツアーが始まるが、行く先々での大成功とは裏腹に、ラフマニノフは日に日に憔悴していく。

祖国への望郷の念、そして何よりも新しい曲が生まれない苦しみ──妻のナターシャは、そんな夫を辛抱強く励まし支え続ける。

ある日、ラフマニノフのもとに、贈り主不明のライラックの花束が届く。故郷に咲き乱れるその花の甘い香りをかいだ瞬間、切なくも情熱的な愛の日々が甦る。募る想いを込めて交響曲を捧げた年上のアンナ。革命に燃える瞳に心を奪われたマリアンナ……。それからも、花束は届き続ける。いったい贈り主は誰なのか?

愛の記憶に導かれるように、ラフマニノフの心に新たな旋律が生まれようとしていた……。
ロシア映画、演劇界を代表するキャストをそろえた監督は、『タクシー・ブルース』で、カンヌ国際映画祭最優秀監督賞を受賞したパーヴェル・ルンギン。時に叙情的に、時にダイナミックに、魂を捉えて離さない旋律が紡ぎ出す愛の物語が今、幕を明ける──。

<Story>

1920年代、アメリカ──
その時、音楽の神が舞い降りた


 この世のものとは思えない美しい旋律を生み出す作曲家、超絶技巧を持つ魔法の手で常人には弾けない難曲を完璧に演奏するピアニスト──天才音楽家セルゲイ・ラフマニノフ(エフゲニー・ツィガノフ)の名声は、今や世界中に響き渡っていた。
 その夜のカーネギー・ホールは、かつてない興奮に包まれていた。ロシア革命を逃れてアメリカに亡命したラフマニノフが、初めてニューヨークでその神業を披露するのだ。客席のソ連大使を追い出すという騒動にひと役買った観客たちは、目の前で繰り広げられる音楽の奇跡に陶酔し、最後には熱狂的な喝采を贈り続けた。
 主催者のスタインウェイ(アレクセイ・コルトネフ)は、200日100都市という超人的な全米ツアーを企画する。行く先々の大成功とは裏腹に、ラフマニノフは日に日に憔悴していく。混乱が続く祖国への望郷の念、そして何より新しい曲が生まれない苦しみ。妻のナターシャ(ヴィクトリア・トルストガノヴァ)は、そんな夫を辛抱強く励ます。

1880〜90年代、ロシア──
激しい恋から生まれた交響曲第1番


 神は類稀な才能と引き換えに、ラフマニノフの人生から安息を奪うと決めたのか? 初めての危機は、まだ10歳くらいの頃だ。裕福だった両親が破産し、ついには離婚してしまったのだ。その時、ラフマニノフを救ってくれたのは、厳格な名教授として名高いズヴェレフ(アレクセイ・ペトレンコ)だった。ラフマニノフの才能をひと目で見抜いたズヴェレフは、行くあてのない彼を自宅に住まわせ、精魂込めて指導する。だが数年後、ピアニストとしての精進を求めるズヴェレフと、作曲の喜びに目覚めたラフマニノフは決裂してしまう。
彼はその頃、激しく燃え上がる恋の真っただ中にいた。なめらかな肌と輝く金髪が眩しいアンナ(ヴィクトリア・イサコヴァ)は、恋の機微を知り尽くした年上の女で、ラフマニノフは彼女にすべてを捧げたいと願う。あふれる想いは壮麗な旋律となり、やがて初めての交響曲が生まれた。
 しかし、アンナに捧げた「交響曲第1番」の初演は大失敗に終わる。原因は指揮者にあるのだが、酷評を浴びるのはラフマニノフだ。アンナは怒り、ラフマニノフは恋と名声を一夜で失くす。傷ついたラフマニノフに救いの手を差しのべてくれたのは、幼い頃に彼を慕っていた従姉妹のナターシャだった。高名な医師ダール(イーゴリ・チェルニェヴィチ)と婚約中だった彼女は、荒れ狂う海のごとき人生に溺れるラフマニノフを抱きあげ、愛し支え続けると決意する。

1920年代、アメリカ──
贈り主不明のライラックの花束


 新しい旋律がひらめくのを、ひたすら孤独に待ちわびるラフマニノフは、アメリカで唯一の友人であるスタインウェイとナターシャ、そしてまだ幼い娘にさえ心を閉ざし始める。そんな彼にある日、贈り主不明のライラックの花束が届く。甘い香りに、切ない記憶が甦る。恋に落ちたあの日、アンナに贈った花束もライラックだった。そういえば、「交響曲第1番」に失敗した後も、今と同じように曲がかけなくなった──。

1890〜1910年代、ロシア──
最後に愛が勝ったピアノ協奏曲第2番


 それは、作曲家生命の危機だった。ナターシャに頼まれたダール医師は、ラフマニノフに催眠療法をおこなう。治療は効果を発揮し、心が解放されたラフマニノフは、また恋に落ちる。今度は、ピアノ教師を務める女子高の生徒、マリアンナ(ミリアム・セホン)だ。彼女はマルクスを信奉し、革命を夢みていた。彼女の望む新しい世界には共感できなかったが、彼女の魂と肉体の輝きは、ラフマニノフの心に旋律を生み出す力を与える。「ピアノ協奏曲第2番」を書き上げたラフマニノフは、苦しい時に見守ってくれたナターシャの愛に気付き、プロポーズするのだった。
 運命の定めなのか、ラフマニノフは人生の次の分かれ道でも、マリアンナに助けられる。ロシア革命から逃れようとした時、闘士となったマリアンナに再会。彼女が複雑な思いを抱きながら書いた出国証明書のおかげで、アメリカの地を踏めたのだ。

1920年代、ロサンゼルス──。

 ライラックの花束に導かれた、愛の記憶を辿る旅は続く。
贈り主は、思い出のあの人なのか、それとも……? 
その時、ラフマニノフの心に、新しい旋律が生まれつつあった──。