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2008年3月15日(土) 感動のロードショー
犬と私の10の約束

公式サイト   http://www.inu10.jp/


犬と私の10の約束
(C)2008「犬と私の10の約束」フィルムパートナーズ
<Introduction>

世界中が涙した短編詩「犬の10戒」から生まれた、
犬のソックスと少女の愛と絆を描く感動作


 楽しい時も、淋しい時も、犬は黙ってそばにいてくれる。もし、犬たちが人間の言葉を話せたら、いったい私たちに何を望むのだろうか?そんな疑問に答えてくれる作者不詳の短編詩「犬の10戒」が今、世界中で静かなブームを呼んでいる。「千の風になって」の犬バージョンとも言えるこの詩では、犬から飼い主へのメッセージという形で、犬が私たちにして欲しい10の約束事が語られている。一度でも犬を飼ったことがある人はもちろん、犬との暮らしに憧れている人なら、ささやかで切ない犬の願いに、涙せずにはいられないだろう。そして2008年春、この詩から、一匹の犬とひとりの少女のかけがえのない10年間を描いた感動作が誕生する。

北海道の函館で暮らす14歳の少女・あかりの家に一匹の子犬がやって来た。前足の片方だけが靴下を履いたように白いゴールデン・レトリーバーに、あかりは“ソックス”と名前をつける。母はあかりに、犬を飼う時には、犬と「10の約束」をしなければならないと教えてくれる。その約束を交わした瞬間から、あかりとソックスは一緒におとなへの道を歩き始める。母の急死、父の突然の辞職、初恋、憧れの仕事、初めての独り暮らし、恋人の事故……あかりの人生を揺さぶる、さまざまな出来事がおとずれる。どんな時にも、ずっとそばにいて励ましてくれたのが、ソックスだった──。

新鋭から演技派まで、日本映画界を担うキャストと、アジアの俊英が集結した注目のスタッフ

 成人したあかりを演じるのは、近年女優としての成長が著しい、『ゲゲゲの鬼太郎』、『夕凪の街 桜の国』の田中麗奈。あかりの幼なじみで、再会して恋人となる進には、『硫黄島からの手紙』、『それでもボクはやってない』の若手個性派俳優、加瀬亮。少女時代のあかりには、『日本沈没』、『Little DJ?小さな恋の物語』の福田麻由子。あかりの母・芙美子には、華やかな存在感をスクリーンに残す高島礼子。そして、父・祐市にはシリアスな役どころからコメディまで、幅広い演技で高く評価されている豊川悦司。あかりの人生に関わる彼ら一人一人とソックスの交流も丹念に描かれることによって、犬は飼い主に豊かな愛情を与えてくれるだけでなく、関わった人々の傷ついた心を癒し、さらに人と人の絆さえも結んでくれる素晴らしい友達なのだと教えてくれる。近年、セラピードッグが老人ホームや施設、小学校などで、人の心のケアや身体のリハビリに貢献しているという例があるように、ソックスも出会った人たちに生きる力や優しさを与えてくれる存在なのだ。
 
監督は、『ゲゲゲの鬼太郎』の大ヒットが記憶に新しい本木克英。そして、ソフトバンクモバイル「予想外」シリーズや東京ガス「ガス・パッ・チョ!」等のCMを手掛け、2000年と2006年、2回に渡りクリエイター・オブ・ザ・イヤー賞を受賞した、注目のCMプランナー、澤本嘉光が脚本を担当。また、韓国映画音楽界の巨匠と称えられ、『八月のクリスマス』、『四月の雪』などの心を揺さぶる美しい旋律を作曲したチョ・ソンウが音楽を手掛けている。

主題歌を人気アーティストBoAが歌うのも大きな話題である。主な撮影は、2006年の秋から2007年春にかけて、北海道函館市及び調布の日活撮影所で行われたほか、旭川市の旭山動物園で本格的なロケを敢行したのも話題である。2008年春、一匹の犬“ソックス”が、日本中を温かく包む大きな感動を贈ります。

犬と私の10の約束
(C)2008「犬と私の10の約束」フィルムパートナーズ
<Story>

優しい気持ち。愛する気持ち。
教えてくれたのは、ソックスでした──


北海道の函館で暮らす14歳の斉藤あかり(福田麻由子)は、
大学病院に勤める父・祐市(豊川悦司)と母・芙美子(高島礼子)のおおらかな愛情に包まれて、楽しい毎日をおくっていた。あかりに不満があるとすれば、優秀な医師として将来を期待されている父が忙しく、あかりと顔を合わせる時間すら取れないことくらいだった。
 
ある日、いつも元気で明るかった母が、体調を崩して入院してしまう。心配と淋しさで胸を痛めていたあかりのもとに、一匹の子犬が迷い込む。あかりは子犬を連れて母を見舞い、飼うことを許してもらう。前足の片方だけが靴下を履いたように白いゴールデン・レトリーバーに、母の提案で“ソックス”と名付けるあかり。母は、犬を飼うときは「10の約束」をしなければならないと教えてくれる。それは、犬が飼い主にしてほしい、10のお願い事だった。

春の終わりに一時退院し、家族に囲まれて満開の桜を楽しんだ母は、自分が夏まで生きられないことを知っていた。突然の別れにショックを受けたあかりの心は、思わぬ形で悲しみを表現する。首が曲がらなくなってしまったのだ。その頃あかりは、ソックスがやって来た真相を知る。母があかりのために近所のコンビニのおじさんから譲り受けてくれたのだ。名医のはずの父に代わって、あかりの首を治してくれたのは、そんな“母の形見”のソックスだった。ソックスがそばにいるだけで、悲しみで冷たくなった心が、ゆっくりと温まっていく──ソックスには、そんな不思議な力があった。
 
クラシックのギタリストを目指している、同級生の星進(佐藤祥太)の素直で純粋な優しさも、あかりを慰めてくれた。あかりは元気を取り戻し始めるが、今度は父の栄転で札幌へ引っ越すことになる。新居を探すまでの寮暮らしではソックスを飼えないと言われたあかりは、進にソックスを預ける。あかりは大切な親友2人と、離ればなれになってしまったのだ。

父の帰りはますます遅くなり、あかりが淋しい想いをこらえていた頃、進はパリの音楽学校に合格し、留学することになった。出発の日、父に急患が入ったために、旅立つ進を見送る約束を果たせなかったあかりは、父を許せなかった。父もまた、娘を傷つけた自分を許せなかった。有力者を優遇する病院の在り方にも疑問を抱いていた父は、その日のうちに辞表を提出してしまう。エリートコースを捨て、函館の家を買い戻して開業医となった父は、少しずつ家事を覚え始める。父と娘、そして進の家から戻ったソックスは、やっとひとつの家族になれたのだ。

──それから7年、22歳になったあかり(田中麗奈)は、大学の獣医学部に通っていた。ソックスは斉藤医院の「あっち向いて、ホイ」が得意な看板犬として、すっかり近所の人気者になっている。ある日、あかりはギタリストになる夢をかなえて帰国した進(加瀬亮)と数年ぶりに再会する。互いの懐かしい面影に惹かれあい、少し変わった姿にときめき、2人はあっという間に恋におちた。
 
やがて、大学を卒業したあかりは、子供の頃から憧れていた旭川市の旭山動物園に獣医として就職する。やりがいのある仕事、初めての独り暮らし、進との恋──充実した毎日をおくるあかりが、ソックスと過ごす時間は、ほとんどなくなってしまっていた。

 ところが、進の身に思いがけない事件がふりかかる。交通事故にあい、命に別状はなかったものの、後遺症で指が思うように動かなくなってしまったのだ。物心ついてからギターが人生のすべてだった進は、ショックのあまり部屋に閉じこもり、あかりとも会おうとしない。あかりは、かつて母の死という大きな悲しみに襲われたとき、ソックスが癒してくれたことを思い出す。「ソックス、お願い。もう一度私を助けて」あかりはソックスにはセラピードッグのような素質があると進の両親を説得し、ソックスを進のもとへと送り込むのだった。

ソックスと触れ合ううちに、心の痛みが薄れていく進。あかりとソックス、そして進には皆で歌った思い出の曲がある。あかりの母が大好きだったシンディ・ローパーの「タイム・アフター・タイム」だ。ソックスに誘われるように、進は事故のあと初めてギターに触れ、その曲を楽しそうに弾くのだった。
 
人生につまずきそうになるたびに、助けてくれたソックス。なのに、最近のあかりは自分のことしか考えていなかった。「ソックス、ごめんね」久しぶりに抱きしめたソックスの体は小さく、軽くなっていた。あかりはかつて母に教えられた「10の約束」の9番目を思い出す。「私は10年くらいしか生きられません。だから、できるだけ私と一緒にいてください」あかりは今、24歳。ソックスと初めて会った日から、10年が経とうとしていた……。

<Production Note>

すべては“犬の10戒”との出逢いから始まった

“犬の10戒”は、1990年代後半からインターネットの普及と共に、着実に広まった。内容に共感した人々が自分のホームページで紹介し、それをまた別の人が見て……という感動の連鎖が、欧米を中心にどんどん広がっていったのだ。やがて、その流れは日本にまでおよび、愛犬家を中心に、和訳された“犬の10戒”がホームページに掲載されていった。さらにそれは出版業界にまで波及し、数社から出版された書籍が2004年頃から書店に並び、テレビ番組でも取り上げられ始める。早くから注目していた福島プロデューサーは今ならこれを映画化できるかもしれないと思い始めた。ちょうど、『クイール』につづく松竹動物シリーズの2本目『子ぎつねヘレン』が成功した頃でもあった。『子ぎつねヘレン』を担当していた吉田プロデューサーも脚本作りに加わり、2人の脚本家に相談、動物版『ゴースト』説から、冒険譚までアイディア百出するなか、一年がかりで結果選ばれたのは、特殊能力をもたないごくふつうの犬と少女とが長い時間をかけて交流する物語だった。犬は家族の一員であるからには人間の家族の方もきっちりと描くという方針が立ち、それに基づき物語がつくられていった。

数々の動物映画を成功させた伝説のドッグトレーナー
動物映画では、監督と同じくらい重要なスタッフがいる。ドッグトレーナーだ。『南極物語』、『ハチ公物語』などの不朽の名作から、近年の大ヒット作『クイール』、『子ぎつねヘレン』まで、ドッグトレーナーとして輝かしい経歴を持つ宮忠臣氏が、その大役に選ばれた。
宮氏の最初の仕事は、犬種選びへのアドバイスだ。「ソックス」となる犬にはポピュラーな犬種で人なつっこく利口な犬がぴったりであることから、ゴールデン・レトリーバーが最もふさわしいということになった。

美しき“主演女優”との運命的な出会い
物語が10年以上にわたるため、場面に応じて様々な年齢の犬を準備しなければならなかった。本作では、生後2週間の犬を2匹、4ヶ月の犬を1匹、8ヶ月の犬を1匹、8歳の犬を1匹、合計5匹を用意することになった。しかし、現在は小型犬に人気が集まっているため、大型犬のゴールデン・レトリーバーで狙い通りの年齢の犬を揃えるためには、全国のブリーダーに問い合わせなければならなかった。
全国の訓練所をまわって、“主演犬”を探していたとき、ある訓練所で1匹のゴールデン・レトリーバーに出会った。彼女は、非常に美しく毛並みもきれい。表情に特徴があり、落ち着きもあった。一目で「この子だ」と恋におちた宮氏。本木監督にも惚れこまれ、彼女が“主演女優”に選ばれ、宮氏のいる稚内の動物ふれあいランドでクランクインの日まで訓練を重ねた。そして、8歳になった彼女は、晴れて主人公「ソックス」に任命されたのだ。

“犬好き”が集まった撮影現場
自身でも2匹の犬を飼っている田中麗奈を始め、キャスト一同は大の犬好きが集結した。撮影現場に犬がいる時は、厳しい撮影現場の空気も和み、穏やかな撮影が進められた。特に、エキストラ犬が8頭集まったシーンの撮影日は、キャスト、スタッフが犬の周りにあつまり、笑顔のこぼれる現場となった。

撮影中は、かわいい子犬が一番の問題児
本作で最も苦労したのが、生後4ヶ月犬と8ヶ月犬の撮影だった。なかでも、4ヶ月犬とあかりの少女時代を演じる福田麻由子の、函館の海辺のシーンは大変だった。撮影時期は4月下旬だったが、桜が開花する前で、雪も降った。気温的にはまだ冬なのだ。夏のシーンを撮影するその日も、浜辺では海風が吹きすさんでいた。スタッフが厚手のジャンパーやマフラーを着込むほどの寒さだったが、福田麻由子はノースリーブの衣装。4ヶ月前後の犬は遊びたいさかりの年齢で、ほとんどコントロールがきかない。それでも、台本通りの演技が出るまで、撮影は粘り強く進められた。カメラが回ってない間、福田はストーブにあたっていても、身震いがとまらなかった。

アカデミー賞最有力候補!? 名女優誕生の瞬間
8歳犬ソックスは、驚異的な演技力をみせつけた。それは、天性のカンを持ち合わせていることを見出した宮氏が、彼女に対して行った独自のトレーニングの結果だった。“あかりから手紙を受け取り、くわえたまま持って行って進に渡す”や、“抱き合う2人を見た後に、そっぽを向いてアクビをする”、“あっちむいてホイ”など複数の指示が含まれた動作も、ワンカットで撮影するか、カットを割るか、というスタッフの悩みをよそに、一発で成功させた。本木監督の意図を理解したかのような、見事な演技に、スタッフから自然に拍手が沸きあがるほどだった。

犬の健康のために代役を務めた、最先端アニマトロニクス
犬の健康状態と精神状態に一番気を使っていたスタッフは、犬に負担をかけないために、1シーンだけアニマトロニクスを使用した。ソックスの最期のシーンだ。撮影は丸1日がかりを予定していたため、8歳犬のソックスを寝かせ続けることは避け、アニマトロニクスに代役を務めさせることにしたのだ。『クイール』、『子ぎつねヘレン』で培ったノウハウを注ぎ込んだ、ソックスのアニマトロニクスの完成度の高さは、現場にいなかったスタッフが、どこでアニマトロニクスを使用したか区別が付かないほどだった。

応募数4,000匹を超えた“愛犬オーディション”
応募数4,000匹を超えた“愛犬オーディション” 犬のエキストラ集めにも様々な工夫が凝らされた。函館ロケでは、現地の愛犬家サークルに呼びかけ、ボルゾイ、パピヨンなど特徴的な犬種を中心に撮影した。
大掛かりだったのが、テレビ東京とヤフーの連動で全国に呼びかけた“愛犬オーディション”だ。オーディションのグランプリ犬は、映画に出演するだけでなく、主演の田中麗奈と共演することが決定していたので、募集の条件は厳しかった。それにも関わらず、全国から集まった応募総数は4,000匹を超えた。4,000件の写真を1枚1枚丁寧に審査し、最終選考の10匹に絞り込んだのは、テレビ東京の人気番組「ペット大集合!ポチたま」のスタッフだった。このオーディションは番組内のコーナーとしてテレビ放映され、グランプリ犬に選ばれた「ネロ」は、番組の準レギュラーとして活躍することになった。

物語を盛り上げる美しい北海道の風景
“起伏の多い、海沿いの町”というロケ地を探し求め、監督とスタッフは、全国の海沿いの町を訪れた。そして、最後に訪れた函館が、全員一致でロケ地に選ばれた。函館山の山頂から、函館市を見下ろすピアノホールでのクランクイン当日、キャストとスタッフは快晴の町並みを見下ろしながら撮影に望んだ。
日本一有名な動物園である、旭川市旭山動物園。早くから同園での撮影を希望していたスタッフ一同は交渉を重ね、映画撮影の許諾を受けることとなった。動物への配慮を最重要課題として望んだ撮影本隊は、旭山動物園スタッフとの連携によって、活き活きと動き回る白熊、トラ、カバなどの撮影が可能となった。

撮影期間を3回に撮りきった贅沢な映像分けて、四季を
物語が犬の一生をなぞる10年以上にわたる歳月の設定なので、四季の撮影もリアリティを出すためには欠かせないものだった。そのため、3回に及ぶ異例の撮影が敢行された。第1回目の撮影は、2006年11月、第2回は2007年4?5月、第3回は2007年7月に行われ、秋、冬、春、夏の四季をフィルムにおさめることができた。
なかでも忘れられないのは、函館の桜並木の撮影だ。2007年の桜前線は、4月下旬に雪が降るなど、例年と違って予想がつかない状況だった。函館ロケは5月5日で終了、その日までに桜前線が到来しなければ、撮影本隊は東京に戻って桜並木をセットで再現しなければならない。そして、とうとう迎えた撮影当日、満開の桜並木を目にしたスタッフは、息を呑んだ。CG合成など一切必要としない、見事な桜だった。

あかりと進を結ぶクラシックギターの音色
加瀬亮が演じる星進は、クラシックギター奏者という設定だったので、ギターを弾く、もしくは弾いているように見えることは必須だった。本作の撮影間際に他の作品の撮影もあった多忙な加瀬にとって、それは難題だった。製作陣からのリクエストは、「弾いているように見える」だったが、加瀬は実際に弾くことを自らの課題とし、練習に取り組んだ。物語のなかで印象的に流れるパッフェルベルの「カノン」と、「タイム・アフター・タイム」の練習が続き、ギターを背負って持ち歩く加瀬の姿がお馴染みの光景になった。そして、短期間の練習ながらも、2曲を完全に自分のものにした加瀬は、その技術を演技のなかにおりまぜ、星進になりきった。