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2月09日(土)より全国ロードショー
潜水服は蝶の夢を見る

公式サイト  http://www.chou-no-yume.com/


潜水服は蝶の夢を見る
(c) Pathe Renn Production-France 3
<Introduction>

20万回の瞬きで自伝を綴った奇跡の実話を完全映画化!
天才シュナーベル監督が溢れる映像美で描く、きらめく愛の感動作

ELLE誌編集長として人生を謳歌していたジャン=ドミニク・ボビーは突然倒れ、身体の自由を失う。そして唯一動く左目の20万回以上の瞬きで、自伝を書き上げる。たとえ身体は"潜水服"を着たように動かなくても、 "蝶"のように自由に羽ばたく記憶と想像力で─。その美しい魂の著作「潜水服は蝶の夢を見る」はフランスで14週連続、イギリスで6週連続ベストセラーリスト1位を記録、全世界31カ国で出版され、世界を驚きと感動で席巻した。その奇跡の実話を『夜になるまえに』でヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を受賞した俊英ジュリアン・シュナーベルが、溢れんばかりの色彩と映像美で完全映画化。2007年カンヌ国際映画祭では見事に監督賞と高等技術賞を受賞、鳴りやまない大喝采を博し、アカデミー賞の呼び声も高い。足枷から抜けだし、"蝶"になったジャン=ドミニク・ボビーは、愛する人たちに囲まれ、新しい人生へと飛び立つ。その様を宝物のようにキラキラと輝きを放つ愛、ユーモア、夢によって描き切る、愛の感動作。


ぼくは生きている。話せず、身体も動かないが、確実に生きている

ジャン=ドミニク・ボビーは目覚める。そこは病室。自分が脳梗塞で倒れ、運び込まれたことを徐々に思い出す。医者や看護婦がやってくる。だが、おかしい。意識ははっきりしているのに、自分の言葉が通じない。しかも、身体全体が動かない。唯一、動くのは左眼だけ。つい先日までは、ELLE誌編集長として活躍し、人生を謳歌していたのに・・・。これなら死んでしまった方がましだ。そんなジャン=ドミニク・ボビーに、言語療法士アンリエットが、瞬きでコミュニケーションをとる方法を教えてくれる。彼の希望は未来へと向かっていく。そしてある日、ジャン=ドミニク・ボビーは瞬きで自伝を綴り始める。たとえ体は潜水服を着ているように動かなくても、蝶のように自由に羽ばたく記憶と想像力で─。そこには友達、帰らぬ日々や恋人、そして家族への溢れんばかりの想いが詰まっていた。


実在した奇跡の伊達男、ジャン=ドミニク・ボビー

順風満帆に輝いていた人生が、ある日を境に変わり果てる。誰にでも起こりうる病という名の不条理。そんな時、人はどうするだろう?実在のジャン=ドミニク・ボビーはファッション界を左右するフランス版ELLEの名編集長で、2人の子持ちだった。42歳の時に突然、脳梗塞で倒れて、生死をさまよった後に目覚めると、左目以外は動かない状態になっていた。意識、知力は元のままなのに、身体的自由をすべて奪われた状態、ロックト・インシンドローム。E、S、A、R、I、N、T〜。使用頻度に基づいて並べ替えられたアルファベットを読み上げてもらい、瞬きで合図するという新しいコミュニケーション方法を身につけ、自伝「潜水服は蝶の夢を見る」を書きあげる。名作は世界31カ国で発売されるやベストセラーとなり、一大センセーションを巻き起こした。本作を読み、感銘を受けたジャン=ジャック・ベネックス監督は、ジャン=ドミニク・ボビーとクロードの執筆の模様を『潜水服と蝶(Assigne a Residence)』という短編に収めている。ジャン=ドミニク・ボビーは本が出版されてすぐ、合併症で亡くなった。


時代の寵児ジュリアン・シュナーベル監督が描く、"生きる"ことへのメッセージ

70年代後半にニューペインティングの旗手としてニューヨーク美術界に彗星のごとく現れ時代の寵児となった画家ジュリアン・シュナーベル。友人でもあった画家ジャン=ミシェル・バスキアを描いた『バスキア』で映画監督デビュー。続く『夜になるまえに』でキューバの亡命作家レイナルド・アレナスの生涯を壮絶な迫力で描き、ヴェネチア映画祭審査員特別賞を受賞。そんなジュリアン・シュナーベルが待望の3作目である本作で描き切ったのは "生"。シュナーベルならではの生き生きと躍動するストーリーテリングと、圧倒的に美しい映像で魅せ、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。名実ともに世界の名監督の一人となる。ジャン=ドミニク・ボビーの視点で語られる映画前半、観客は自然に彼の中に取り込まれていく。彼と共に時間軸を超え、飛翔する想像力と記憶で世界を自由に駆け回る。帰らないからこそ眩しいまでに輝く思い出の数々、不屈のユーモア、大切な人たちへの想い・・・。気がつけばジャン=ドミニク・ボビーと共に笑い、泣き、彼の"生きる"ことへの強い愛情に、心を動かされていく。ジャン=ドミニク・ボビーは身体が動かなくなくなった代わりに、"生きる"ことに目覚めた。生には必ず終わりがある。だからこそ、一度限りの輝かしい人生を一瞬足りとも無駄にしてはいけない。シュナーベルはそんなメッセージを、渾身の力で我々に送っている。


名作を作りだした、世界に名立たる豪華スタッフ&キャスト

圧倒的な美しさを誇る撮影は『プライベート・ライアン』でアカデミー賞撮影賞を受賞した名人ヤヌス・カミンスキー。色が画面から溢れ出る美しい色彩、様々な趣向を凝らしたジャン=ドミニク・ボビーの主観ショットなど、見事なカメラワークでカンヌ国際映画祭高等技術賞を受賞した。プロデュースをアカデミー賞を7度受賞した敏腕キャスリーン・ケネディ、脚本を『戦場のピアニスト』でアカデミー賞脚色賞を受賞したロン・ハーウッドが手掛けるなど、世界に名高い名スタッフが天才シュナーベルのもとに結集した。また、サウンドトラックにはU2、トム・ウエイツ、ヴェルヴェット・アンダグラウンド、エマニュエル・セニエをフィーチャリングしたバンド、ウルトラ・オレンジ&エマニュエルなど、シュナーベルならではのセンスで選ばれた豪華メンツがそろっている。主演には『ミュンヘン』のマチュー・アマルリック。ジョニー・デップも切望したこの難役をかっこよく、且つ人間くさい魅力いっぱいに演じ、本年度のアカデミー賞ノミネートの呼び声が高い。内縁の妻セリーヌに『赤い航路』のエマニュエル・セニエ、言語療法士アンリエットに『ミュンヘン』のマリー=ジョゼ・クローズ、編集者クロードにアンヌ・コンシニ、理学療法士役にシュナーベルの妻でもあるオラツ・ロペス・ヘルメンディア、そして過去の恋人ジョセフィーヌを『レディ・チャタレイ』でセザール賞主演女優賞を受賞したマリナ・ハンズが初々しく演じる。ジャン=ドーの父親役を名優マックス・フォン・シドーが演じているのも見所の一つ。また、本作撮影後に亡くなったジャン・ピエール・カッセルには本作で献辞が捧げられている。

<Story>

目の前に広がる暗闇・・・
視界が徐々に開けてくると、そこは病室らしい・・・
意識を取り戻したジャン=ドミニク・ボビー(通称:ジャン=ドー)は状況を把握出来ないが、やがて、自分が倒れ、昏睡から目が覚めたのだと理解する。
おかしいのは、自分の言葉が医者にも看護婦にも伝わらず、そして身体が全く動かないこと・・・
一方的に話しかけてくる主治医から彼は恐ろしい事実を知る。
<ロックト・インシンドローム(閉じ込め症候群)>
全身が麻痺して動かなくなっていた。自分は話せなくなっている。身体の中で唯一動くのは、左目のまぶただけ・・・
絶望に打ちひしがれるジャン=ドー。目覚める前の自分からは、かけ離れた姿。
「まるで何かの標本のようだ・・・」

ジャン=ドーは「ELLE」誌の編集者だった。華やかなファッション撮影のためにスタジオからスタジオを駆け、仕事に明け暮れる日々。女性関係も忙しく、子供も3人いる。幸せでエレガントな毎日だった。だが今は潜水服に閉じ込められて動けなくなっているも同然。ジャン=ドーの心は深く静かに沈んで行った。

しかし彼には、支えてくれる人々がいた。言語療法士のアンリエットは、彼の左目のまばたきが唯一の伝達手段であることを認識し、コミュニケーションの手段を発明する。
「はい」は瞬き一回、「いいえ」は二回。
次の段階は彼女がアルファベットを読み上げる
「E,S,R,I,N・・・」
文字を選ぶときは瞬きをし、単語が完了したら瞬き2回。そうして、彼は文章を作り、会話をしていく。
ジャン=ドーはアンリエットに、あるメッセージを伝えてみる。
「死にたい」
しかし彼は絶望の淵で希望を見出す。
「もう自分を憐れむのをやめた」
身体は動かないが、自由になるものが3つある。まず左目のまばたき。そして、記憶と想像力だ。
「想像力と記憶で僕は"潜水服"から抜け出せる」
蝶が自由に舞うように、自分を何処にでも連れて行ける・・・
彼は生きる気力を徐々に取り戻す。

ある日、クロードという編集者が訪ねてくる。ジャン=ドーは倒れる前に本を書く契約を出版社と結んでいた。クロードは日夜ジャン=ドーの病室で過ごし、彼がまばたきで綴る文章を記録していく。それは、ジャン=ドーが倒れるまでの半生を描いたメモワールだった。執筆を進めるにつれ、彼は茫漠たる過去を旅する。年老いた父との記憶。恋人ジョセフィーヌとルルドに行った記憶・・・。
ジャン=ドーが過去を旅する傍らで、父は誕生日の祝いの電話をかけてきてくれた。
3人の子供とその母セリーヌはことある毎に病室を訪ねてくれる。
ジャン=ドーは改めて周囲の人々の大切さを思い知る。そして今まで伝えられなかった周囲の人への思いを本に綴って行く。

理学療法士マリーとのリハビリで、彼は首が動かせるようになった。舌も微かながら徐々に動くようになり、父の日には家族と海に遊びにいくことも出来た。
「すばらしい1日だ」

僕は確実に良くなっている。
いつかこの夏が終わり、秋が来て、冬を越して、春になれば蝶になれるかもしれない・・

希望を胸に本を書き進めるジョン=ドー。本が完成に近づくにつれ、彼を覆う潜水服は徐々に軽くなり、心が開放されていく・・・
ジャン=ドーの未来に待っているものとは・・
彼は無事に本を書き上げることが出来るのだろうか?
蝶になる前の蛹のように、羽ばたくことを夢見ながら、静かにそして確実に彼は物語を紡いでいく・・・

ロックト・インシンドロームとは? 

locked in syndrome(閉じ込め症候群)
無動言語症akinetic mutismに類似して、無動、無言であるが、意識は鮮明であり、 随意的な眼球運動や瞬目が保たれている状態。


ロックト・インシンドロームとは脳梗塞の一種に分類され、脳低動脈が梗塞を起こすことで脳幹の神経節が機能を喪失し、全身の骨格筋が麻痺、ほぼすべての運動機能を喪失する。まさにそれは自由の利かない自分の身体という外殻の内側に、心が閉じこまった状態で、脳梗塞の中でも最も重度のものと分類されるが、症例は極めて希少のようである。

ロックト・インシンドロームの一番の原因となるのは脳梗塞である。脳梗塞とは脳の血管に起こる動脈硬化により脳の血管が詰まることによって起こる病気で、脳卒中の中に分類され「虚血性脳卒中」とも呼ばれる。日本での患者数は2020年には300万人を越えることが予想され、癌、心臓病に次いで、日本人の死亡原因第3位に位置する。ある意味、国民病とも呼べる非常に身近で恐ろしい病気である。さらに、脳卒中の中でも脳梗塞は最も死亡率が高い病気とされている。
それではどういった要因が脳梗塞を引き起こすのか?

最大の危険因子とされるのが高血圧から引き起こされる動脈硬化とされている。次いで糖尿病、高脂血症、心臓疾患などいわゆる生活習慣病と呼ばれるものが引き金になることが多い。例えば、高血圧は塩分過多の食事によって助長され、糖尿病の主な原因は"食べすぎ"。高脂血症は動物性脂肪の取りすぎと関係する。また、飲酒の習慣は血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪のすべてに影響をする。そして、忘れてはならないのが喫煙の習慣。喫煙は高血圧、糖尿病、高脂血症などの病気を悪化させるだけでなく、心臓病も招くことから脳梗塞の重大な危険因子となる。
上記から見ても脳梗塞を防ぐには、日々の食事や生活の習慣を見直し、改善することが必要不可欠ともいえる。
また、その他の要因として挙げられるのは、かぜなどの感染症、そして俗に「A型性格」といわれる'精力的で負けず嫌いな性格'、更にはストレスや運動不足などがある。

このようにロックト・インシンドロームの原因となる脳梗塞は日本人の誰もがかかる危険性のある病気である。本編中の主人公ジャン=ドーは、酒は少々、煙草もたしなまない人間だったのに息子とのドライブ中に"脳血管発作"に襲われロックト・インシンドロームに陥る。ジャン=ドーが何故このロックト・インシンドロームに陥ったのか、原因は定かに描かれていないが、もしかしたら上記の原因が関係しているのかもしれない。

参考文献:脳梗塞の予防・治療と生活のしかた 内山真一郎 著 主婦と生活社 刊